花まる102 株式会社ハグオール(大津市)

2026/9/4 毎日新聞

 幼少期からの強い体験を原動力に、独自の視点と唯一無二のビジネスモデルで社会課題の解決を目指すハグオール。どんな困難をも乗り越えるぶれない軸を持つスタートアップです。犬本来の食性に着目した手作りの「生食ドッグフード」を起点に、「人と動物が豊かに共存する社会の実現」に真正面から挑んでいます。

 飼い犬と親友のように喜怒哀楽を共にしながら成長した梶谷江世社長。犬が心の支えとなる中で、度々愛犬たちの病気や介護、死に遭遇しました。学生時代、虐待などから犬を救う保護団体に惹かれ、ボランティアで保護活動を始めたものの、寄付金だけで主張を貫くことは難しく、「ビジネスで世界を変えたい」と痛感。「人生を犬に捧げよう」と起業を決意したのです。

 犬の食事に疑問を抱く中で出会ったのが、生食用のペットフードでした。海外では主流ですが日本では馴染みが薄く、シニアの愛犬に与えてみると、毛艶も筋力も改善。階段の上り下りは抱っこが必要で散歩は15分が限界だったのに、走り回り仲間とじゃれ合うほどに回復したのです。同様に犬の食や健康に悩む飼い主が多いことを知り、動物の保護ビジネスという大きな目標の前に2020年、まずは生食フードで役立つ挑戦を始めました。

 小さなミートチョッパーと冷凍ストッカー1台で、生肉や骨など単品のネット販売を開始しましたが、顧客が自力で赤身肉、内臓、骨、農薬や化学肥料不使用の野菜、ハーブなどをバランスよく配合するのは難しいと気づき、試作と改良を繰り返した末に2022年、ブレンド商品「ハグボックスブレンド」を開発。売り上げは当初の10倍以上になり、近所の犬友達を採用して、拠点を自宅からお菓子工房の跡地に拡大。さらに年商は1億円を超え、生産が追いつかず、給食センターの跡地に自社工場を作り生産体制を強化。ハグボックスブレンドは累計販売数500万食を突破しました。

 都会から滋賀に移住したのは、水遊びが好きな愛犬と自然豊かな環境で暮らせる近江舞子に惹かれたから。今年高島市に1500坪の土地を購入し、近く食品衛生管理の国際基準HACCP準拠の新工場を建てて世界進出にも挑み、2033年以降にいよいよ自社ファームを併設した保護シェルターを完成させます。

 ハグオールが多くのファンから愛される理由は、共感と信頼。従来のペットフードによる健康被害が聞こえる中、原材料に徹底的にこだわり製造まで一貫して自社で行う安全性と高栄養価で、皮膚トラブル、慢性的な下痢や嘔吐、涙やけなどの改善に成果を上げ続けています。社長は手書きメッセージなどで顧客一人ひとりに真摯に向き合い、顧客同士のコミュニティも創出。初出展したペットフード協会等主催の「インターペット2025」にも全国から来場があり、約1万個を完売しました。

 現在、腸内環境や健康への寄与を科学的に証明するため、藤田医科大学発ベンチャー、バイオシスラボとの共同研究で特許を出願中。タンパク質やミネラルなどを補える「ボーンブロススープ」や、歯磨きジェル、災害時用などのフリーズドライ製品、猫用の生食フードなどの開発も進めています。

 「数字は社会への貢献値」と捉え、2032年に年商100億円を掲げるハグオール。ペットを家族と考える時代、高まる健康志向やプレミアム化を追い風に、未知なるポテンシャルを秘めています。

企業概要

株式会社ハグオール

大津市北小松344

ペットフード通販事業
e-mail:support@hugbox.jp
同社HPはこちら

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(公財)滋賀県産業支援プラザ 
企画・DX推進課

TEL
077-511-1411

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