【毎日新聞】「木村水産株式会社」を紹介する記事が掲載されました
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花まる90 木村水産株式会社(彦根市)
2026/2/6 毎日新聞
氷のように透き通った体長3、4センチメートルほどの氷魚がピチピチと跳ねる琵琶湖の冬の風物詩、稚アユ漁が旬を迎えています。県は今シーズン、産卵する親アユの放流を例年より遅らせ、水温が下がる時期に稚魚がふ化するよう工夫をしました。この琵琶湖産の稚アユを種苗にアユを育成している、木村水産を訪ねました。
創業は1941年。不可能と言われたアユの養殖事業の、全国のさきがけとなりました。57年に彦根に移転し、高品質で安定した「天然に負けないアユ」を供給し続けています。
現社長の祖母が炊いたアユの醤油煮が好評で、75年に加工販売を開始。「あゆの姿煮」「小あゆ煮」などのヒット商品を次々と生み、彦根京橋店、長浜黒壁店、八幡堀店と拡大しました。2019年には、湖魚のほかに近江牛や赤こんにゃくなどの近江食材を加工したシリーズのネット販売をいち早く開始。直後のコロナ禍をも乗り越えました。また、アユで培った技術を応用したウナギ専門店「うなぎや源内」のウナギは、パリふわ感が人気です。さらに昨秋、全国の厳選した高級食材を近江米のご飯にのせて冷凍した「贅沢御膳」シリーズを発売。忙しい現代人やアクティブシニアにマッチした、手作りによる逸品です。
まさに「伝統と革新」の融合。時流に即した多角的な事業展開と、バランスのよい多様な販売チャネルで、85年の老舗の職人技に一層磨きを掛けている企業です。
「木村鮎」は、豊洲市場をはじめ国内外で「○共(まるきょう)ブランド」と呼ばれ、ミシュランガイドや銀座の名店などから最高峰と言われています。丸みのある美しい姿形、「香魚」との別名を持つ鮎特有の風味、きめ細かなうろこと骨や皮の柔らかな食感。三拍子そろった木村鮎で国際料理コンクールに挑み、優勝したシェフもいるほどです。イタリアンやフレンチ、インバウンドでも好まれるので、オーベルジュなどで日本の四季折々の原風景や文化との共創によるリブランディングも期待されます。「昔から愛され続けてきたものはなくならない」と、5代目の木村有作社長は自負します。
「「天然を超えるアユをつくることこそ、養殖の醍醐味である」との信条のもと、こだわりのひとつは「水」。鈴鹿山系の硬質な伏流水で磨かれ、八角形の養殖池と水車による河川に近い変化のある水流で、低温で5、6ヶ月掛けてじっくり育てられたアユは、身が締まりおいしくなります。二つ目のこだわりは「エサ」。魚粉に天然アユが食べる苔の成分であるスピルリナやプロポリスを加えたオリジナルです。そして最もこだわるのは「人の手」。毎日、状態を見ながら環境やエサの量・タイミングを変え、手塩に掛けると気持ちが伝わり、アユも応えてくれるそうです。育て方の違いが「旨味の強さ、臭みの少なさ、食味の良さ」につながることは、成分分析により科学的にも立証されています。
かつては漁師や船を抱え、漁業権も有していたとのこと。養殖から加工販売、飲食店までの垂直統合、6次産業化は、他社にはない強みです。温暖化によるアユの産卵数の減少への懸念も「自然の自浄作用に任せて、琵琶湖の恩恵に価値を加えて提供することが我々の使命。目の前のことに一途に取り組み、より愛される会社にしたい」と言います。
栄養価に優れ、世界で唯一琵琶湖だけに生息する特別な「コアユ」を、地域一体となり後世に伝え、米や野菜も融合しながら湖国が誇る独特の食文化、可能性をさらに広げられるよう、県産業支援プラザは支援を続けます。
企業概要
木村水産株式会社
彦根市後三条町725
アユの養殖事業、アユおよび淡水魚介類の製造販売、飲食店事業。
電話:0749-22-1775
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お問い合わせ先
(公財)滋賀県産業支援プラザ
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