花まる89 株式会社パルスパワー技術研究所(草津市)

2026/1/9 毎日新聞

 高市早苗首相の新政権下で「核融合」が国家戦略技術に指定され、次世代のエネルギー源として本格的に重点支援が始まりました。この核融合を「パルスパワー技術」で実現したいと、既に2009年に国内初の高電圧・大電流パルス電源の設計・製造事業を始めているのが、パルスパワー技術研究所です。

 パルスパワー技術とは、コンデンサなどに蓄積した電気エネルギーを圧縮して極めて短時間に放出することで、瞬間的に巨大な電力を生み出す技術。家庭用電気ストーブ1台分のわずかな電力を、世界の総発電力に匹敵するほどの電力に変えてしまう魔術のような力です。「強い光」「強い電磁波」「高温」「高密度」「強電界」「強磁界」など通常では得られない特殊な環境を作り、高い仕事率を実現するため、学術研究用途のほかに、食品などの滅菌・殺菌処理、非破壊検査、がん治療、半導体や自動車製造など、広範に応用されています。また理化学研究所、日本原子力研究開発機構、量子科学研究開発機構、ナノテラスなどの国立研究所や大学では、素粒子の加速器研究に活用され、今後、宇宙開発や質量科学などのビッグサイエンスで人類の課題解決のために有望視されているトップレベルの技術です。

 創業者の徳地明会長は、大学で核融合を研究する中でパルスパワー技術の面白さに惹かれ、大手電子機器メーカーに入社。世界最大級の発生装置をはじめ、多くの製品開発に携りましたが、活発な欧米とは異なる日本の技術を危惧し、50歳で退職して起業しました。県産業支援プラザの7.5㎡ほどの創業準備オフィスからスタートし、国際会議や学会などで知名度を上げて事業を広げ、県立テクノファクトリーに移転。さらに新設した自社工場も早くも手狭になるほど売り上げを伸ばし、若手技術者も増えています。パルスパワー技術の専門メーカーとして、独自のビジネスモデルを有する国内唯一の企業です。

 強みは、欧米にも勝る回路方式やスイッチング技術などのレパートリーの広さ。極めて多様な組み合わせで顧客の用途やスペックに合わせてカスタマイズし、技術的なコンサルティングにまで踏み込むオーダーメイドは、業界に不可欠な“ニッチトップ”と呼ばれる所以です。従来の真空管に代わる半導体スイッチによる長寿命化や小型化、次世代半導体デバイスの活用、低損失で環境に優しいシステムの開発なども先駆け、パルスパワーの発生・制御技術の高精度化、高効率化、高繰り返し化にさらに磨きを掛けています。

 海外では「PPJ(パルスパワーラボラトリージャパン)」と呼ばれ、国際入札でも負け知らずの高い信頼度で築いた学術機関とのネットワークは、おのずと産業界にも広がり、共同開発も増加。超大型国際プロジェクトの実験施設であるフランスの「ITER(イーター)」では、燃料を1億度以上の高温のプラズマ状態に維持する電源装置に、同社の技術が採用されています。

 「30年に売上を10億円にするビジョンを策定した。需要の多い海外展開も進めたい」と語る、昨年に事業を承継した佐藤良太社長。商社で培った営業力を武器に、国内産業への普及も加速します。県産業支援プラザは、Go-Tech事業(成長型中小企業等研究開発支援事業)の管理機関として、同社の研究開発を引き続き支援しています。滋賀から発するパルスパワーが、地球環境や人々の暮らしに豊かさをもたらすブレイクスルーに期待が高まります。

企業概要

株式会社パルスパワー技術研究所

草津市新堂町160

パルスパワーの発生と制御に関する技術支援・実験品試作・共同研究など。
電話:077-598-1470
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お問い合わせ先

(公財)滋賀県産業支援プラザ 
情報企画課

TEL
077-511-1411

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