花まる84 三陽建材有限会社(大津市)

2025/10/10 毎日新聞

 滋賀で開催中の国スポ・障スポ2025。会場の一つ、滋賀ダイハツアリーナ(大津市)北側の周辺道路の路傍に、ぜひ目を留めてみてください。約730mに及ぶ雑草のない美観に驚かれるかもしれません。手掛けたのは三陽建材。除草剤を使用しない環境に優しい新たな防草施工技術が大津市に評価され、昨年から2期連続で施工を続けています。

 継続的な人的負担や除草コスト、除草剤による環境負荷や安全リスクなど、雑草管理の多くの課題を解決するのが特殊なシリコン変性樹脂。クラックやコンクリートの隙間の土壌深くまで浸透し、耐候性、耐水性、耐久性に優れるため、一度の施工で永続的な防草効果を発揮します。初期費用のみで長期のコストを大幅に削減。また、VOC(揮発性有機化合物)などの有害物質が発生しないため、人体や生態系、周辺環境への安全性も確保。実績データを蓄積しながら、さらに高品質の防草を目指しています。

 この防草施工を通じ、県が2030年の環境と経済・社会活動をつなぐ健全な循環の構築に向けて推進する、マザーレイクゴールズ(Mother Lake Goals=MLGs)にも賛同しています。

 “除草”から“防草”へのパラダイムシフトに着眼した川下重彦社長。根底にあるのは「三喜の精神」と言います。「顧客に喜ばれる仕事をしよう。全社員が喜べる事業を創造しよう。地域社会に喜ばれる会社を創ろう」との経営理念のもと、1947年創業の原点“公害問題の解決”から一貫して、時代に必要とされる環境ソリューションを追求し続けてきました。柱の一つ「ファクトリーサポート事業」では、顧客の生産現場のメンテナンスを通じて“よい環境がよい製品をつくる”を実現。「環境リサイクル事業」では、産業廃棄物を可能な限り再利用・再資源化し、環境に配慮。「ロジスティクス事業」では、グループ企業と連携し、滋賀の地の利を生かした効率的な物流を支えています。

 そして第4の柱「防草施工事業」では、新たな独自事業として、クラックだけでなく面施工にまで拡大したいと考えています。リーダーを務めるのは、県プロフェッショナル人材戦略拠点の紹介による副業人材。他の副業先とのマッチングで当事業を導きました。現在は三陽建材の社員となり、自身初の事業化にやりがいを感じているとのこと。元大手企業のIT人材でもあり、DX化にも強みを発揮しそうです。豊富な経験値のもと客観的かつ多様な視点で企業をバックアップし、適材適所を叶える同拠点の存在意義は大きいでしょう。

 「“環境”を支えるのは人の力。何よりも人的財産を大切にしたい」と語る社長。フレキシブルワークやドローン、ITを活用した点検業務などを積極的に取り入れて職場環境を整え、若い人たちに“お役に立ち喜びを提供できる仕事の魅力”というものを知ってほしいと願っています。既存事業の質を高めながら世のニーズをキャッチし、防草施工ビジネスの可能性を拓いた三陽建材。琵琶湖を有する環境先進県で「自然との共生」というミッションに真正面から挑んでいる企業です。

企業概要

三陽建材有限会社

大津市瀬田大江町13-15

ファクトリーサポート事業、ロジスティクス事業、環境リサイクル事業、業務請負・労働者派遣事業、防草施工事業。
電話:077-544-2190
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(公財)滋賀県産業支援プラザ 
情報企画課

TEL
077-511-1411

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