【毎日新聞】「株式会社AGORALY」を紹介する記事が掲載されました
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花まる79 株式会社AGORALY(大津市)
2025/7/25 毎日新聞

古代ギリシャのポリスの中心部にあった公共広場・アゴラは、都市国家の政治、経済、文化の拠点として重要な空間でした。神殿や役所などの公共建築物や美しい彫像が並び、市民が集い、議論し、市場が立ち、さまざまな行事が行われ、ソクラテスも熱弁をふるい、新たな知が生まれ育まれる場でもありました。そんなアゴラが今、私たちの身近にあればと、株式会社AGORALYが始動しています。
高校時代、帰国子女や留学生との交流でグローバルな視野を広げた代表の井堂さんは、大学院でマヤ先住民の文化にひかれてフィールドワークに訪れたメキシコなど、海外で10年以上を過ごしました。得意のスペイン語を生かし、日系企業の立ち上げに携わり、通訳のみならず異文化の翻訳や橋渡し、会社経営をも学んだ貴重な経験が、後の起業の礎となります。2018年に日本に戻り、縁のあったヴィッセル神戸に就職。外国人選手の契約業務や広報に関わる中で、アンドレス・イニエスタ氏のマネジメント事務所の設立や、セルティックFCに移籍した古橋亨梧氏など日本人選手のサポートで功績を上げ、23年、これまでの知見を基に生まれ育った「滋賀と世界をつなぐ」夢を叶えようと独立を決意しました。

事業の柱は3つ。まずは経験値を生かした「スポーツコンサルティング」です。サッカーではJ1クラブのコンサルティングに加え、「キングスワールドカップ」でチーム編成から海外派遣までを、またバスケットボールでは東アジアのチャンピオンズリーグの運営や事業戦略も手掛けました。文化や商習慣の違い、組織間の摩擦などをソフトランディングし、チームの海外展開やアスリートのブランディング、競技レベルの向上、さらには新規ビジネスの成功に導く手腕は、井堂さんならでは。人柄、アイデア、人脈などさまざまなリソースでスポーツ業界を支える実績と信頼が大きな強みで、県内でも事業を徐々に広げています。

二つ目は「ブランディング」。地元愛を形にしたいと、琵琶湖にまつわるヨシや高島ちぢみなどの伝統素材を使った地域発ストリート系アパレルブランドを甲賀市の事業者と共創しています。かつてアスリートブランドの開発で培ったノウハウや、メキシコ人デザイナーとのつながりが生きています。
三つ目は「ネイバーフッドデザイン」。メキシコやヨーロッパに多くあるミニシアターを大津市に作り、アゴラのようなわくわくする場所で日常的に気軽に世界中の芸術やスポーツ、学びなどに触れ、知的好奇心を満たす環境を共有したいと考えています。井堂さんのビジネスの集大成でもあり、地域のさまざまな課題の解決に、延いては地域創生への期待も高まります。昨年、インバウンドビジネスも立ち上げ、通訳ガイドで滋賀の魅力を発信。2事業を結合すればさらなる効果が見込まれます。創業から2年半あまりで同志との絆も深まってきました。

海外を巡り、「オズの魔法使い」の名言“There’s no place like home”のように心の故郷、滋賀の魅力を再認識した井堂さん。入居している「創業プラザ滋賀」があるコラボしが21は、県経済に関わる団体・機関が集結し、他で得られない情報や出会いが多く事業拡大しやすいと言います。AGORALYのプロデュースが滋賀にしかないポテンシャルを開花させ、持続可能なコミュニティが醸成されるよう、伴走支援を続けます。
企業概要
株式会社AGORALY
大津市打出浜2-1 コラボしが21 405
スポーツクラブ・リーグ経営支援、ブランド立上げ・マーケティング、ネイバーフッドデザイン、インバウンド事業。
e-mail:akihito@agoraly.jp
お問い合わせ先
(公財)滋賀県産業支援プラザ
情報企画課
- TEL
- 077-511-1411