【毎日新聞】「株式会社TADコーポレーション」を紹介する記事が掲載されました
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花まる75 TADコーポレーション(高島市)
2025/5/30 毎日新聞

インターネット出願などはもちろんなく、大学の入学願書は大型書店か大学に直接問い合わせるしか手段のなかった時代に、地方に住む受験生のハンディをなくしたいとの思いで創業したTADコーポレーション。「お客様へ誠意を尽くし努力をいとわず信頼を得ることを誇りとする」という経営理念を、誠実に守り続けている企業です。
1985年、受験情報誌を制作する広告会社との協業により、全国初の入学願書通信販売事業を開始。受験生から届いた感謝の手紙がさらなる後押しとなり、当初5大学からアウトソーシングされた発送業務は、今や約150大学にまで広がっています。大学ごとの異なるニーズに的確に対応するため、個別に専任スタッフを配しているのが同社の特徴。多様化する入試制度や、学部や地域の拡大により、1大学が持つアイテム数は100~200に増え、これを30~50通りに組み合わせる複雑な作業にも迅速・丁寧・正確さで応えます。通常の物品と違いバーコードがないため、識別や在庫管理にも苦労が伴います。

その後、このノウハウをさまざまな業界に広げ、データ入力から情報管理、資料・商品保管、封入・梱包、宛名印字、発送に至るサービスを提供しています。カタログやDMのほかに、珍しいものでは苗のような生物や著名ミュージシャンのサイン入りの香水など、ニッチな商品や小ロットにも工夫を凝らして最適な発送方法を提案。高島を“日本のへそ”と捉え、全国各地に安価かつスピーディに配送できるのも強みです。
また、いち早くプライバシーマーク(個人情報の保護体制に対する第三者認証制度)を取得し、セキュリティに対する意識やインフラを徹底的に強化。ガラス張りのオフィスでは、人が人を絶えず意識するための透明性を確保しています。

2023年からは「TAD SDGs宣言」により、環境や地域への貢献に積極的に取り組んでいます。当産業支援プラザのCO₂削減取組支援を受け、三つの事業所に太陽光発電パネルを設置。デマンド監視装置の設置やLED化も進め、年間150万円の電気代削減を目指します。熱交換器の切り替えや電力契約の見直し、窓ガラスへの遮熱フィルムの貼付など、専門家によるアドバイスも役立っているそうです。
「デジタル化にシフトする時代、紙だけにこだわらずバランスよく“情報発信のプラットフォーマー”として成長したい」と語る井口浩治社長。今後は蓄積された「データベース」を存分に活用し、分析・解析により顧客の販売促進や広報戦略につなげたいとのこと。18歳人口の減少に直面する大学にこれまで以上に寄り添い、発送のタイミングや手法、オープンキャンパスの集客、イベントの相談などにも応じたい。大学を知り尽くした頼れるパートナーならではの心配りです。
ベースには創業当初の受験生の声があり、常に原点に立ち返るとのこと。創業40年のナレッジを駆使し、ロジスティクスとデータ基盤の構築を掛け合わせ、市場の変化に柔軟に対応しながら、送り手の思いと受け手の思いをこれからも丹念につなぎ続けてくれそうです。
企業概要
株式会社TADコーポレーション
高島市野田1678
発送代行、入力サービス、DM・カタログなどの一括発送、セット・加工サービス、保管・在庫管理。
電話:0740-36-1007
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お問い合わせ先
(公財)滋賀県産業支援プラザ
情報企画課
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- 077-511-1411