【毎日新聞(滋賀版)】「アクアシステム株式会社」を紹介する記事が掲載されました

ポンプは、圧力の作用により流体にエネルギーを与える機械装置です。私たちの心臓も血液を全身に行き渡らせる一種のポンプで、生命維持に欠かせません。工場、土木建築、運輸、船舶、ガソリンスタンド、災害救助などあらゆる現場で役に立つポンプを、１９４７年の創業から作り続けているアクアシステム株式会社を紹介します。

戦後間もなく、事業はウイングポンプの製造から始まりました。インフラの復活がままならぬ中、ハンドルを往復させて液体を揚げるこの手動式ポンプは、電源のない場所でも使用でき非常時対応として喜ばれたそうです。その後、顧客の要望に細やかに応じながら製品を増やしていき、手動式に加え、エア式、電動式の三つの駆動源によるポンプシリーズのほか、クリーナー、工場扇（工場や作業場で使う大型扇風機）、ノズルなどの周辺機器を含めると、今や３００種を超えるアイテムにまで広がりました。

主力は、得意とする「圧縮エアを利用した技術」で、液体移送やモーターを駆動する製品です。電気を使わず火気厳禁エリアに安全に導入でき、緊急時の備えにもなります。「エア技術でユーザーの作業現場の課題を解決」することをミッションとしていて、エア式の工場扇を製造するのは国内で同社だけです。

何よりの強みは、創業時から蓄積されたノウハウと多彩な商品群を生かし、顧客にパッケージ化したリーズナブルな提案ができること。例えば、切削液（切削加工に使用する潤滑油）の濾過（ろか）、再利用と切削液タンクの清掃ができるトータルメンテナンスシステムや、ポンプと液面計や流量計、吐出ガンを組み合わせた制御システムなど、様々な構築が可能です。さらに、情報のリモート管理やＩｏＴ化を推進すべく、現在、当プラザの滋賀型・ＮＴ（ニッチトップ）企業創出支援事業の支援を受けています。

昨年就任した３代目の木村匡伸取締役社長は、「次世代プロジェクトチームを作り、エア技術で突き抜ける会社としてステータスを上げたい」と2030年に向けたビジョンを掲げました。確かな「技術力」に新たな「組織力」が加わり、縁の下で産業を支えてくれるアクアシステムの駆動力はさらに増しているようです。