花まる74 濵﨑銃砲火薬店(大津市)

2025/5/16 毎日新聞


中小企業庁主催の「アトツギ甲子園」全国大会に2月、県内初出場を果たした濱﨑銃砲火薬店。次期代表に就任予定の濱﨑航平さんは、世代交代を機に既存の経営資源を活用した新領域への挑戦で、永続的な経営と社会に新たな価値を生み出す「ベンチャー型事業承継」のロールモデルとして新風を起こしています。

1923年にスポーツ用品店として創業後、長崎の本家から譲り受けた銃砲販売に加え、産業用火薬・爆薬の販売、公共工事などを請けて事業拡大した同社は、今年102年目を迎える老舗企業です。近年、銃に関わる人口減少や高齢化、後継者不足などで市場が縮小する中、当初は家業に関心のなかった航平氏の夢は「好きな滋賀をまちづくりで盛り上げること」。滋賀の魅力を伝えるために大学で映像を学び、大手広告代理店でCM制作に携わり帰郷。非正規で家業を手伝ううちにクレー射撃の面白さに気づき、「銃砲店によるまちづくり」というコンセプトが閃きました。大津町家で精力的にまちづくりをする経営者との出会いも、5代目を決意する後押しとなりました。

「銃砲」と「まちづくり」という意外な組み合わせが興味をそそるところ。初心者をターゲットに門戸を広げ、狩猟をカジュアル化し、その先にある楽しみにつなぐ体験型の商業リゾートを目指しているのです。

柱の一つは拠点づくり。狩猟を学べるアカデミーを整備し、コミュニティ形成にもつなげます。もう一つの柱は需要づくり。ジビエ料理の試食会や料理教室、レザーや角などの副産物を使ったハンドメイドのワークショップ、狩猟体験、ナイトサファリツアー、アウトドア用品の販売、さらに農業・釣り体験を併せた「自給自足型のグランピング」事業で、実は自身の狩猟への苦手意識から生まれた発想です。

「銃砲店らしくない銃砲店」はすでに始動し、関西初のクレーシューティングシミュレーターや、G.C.HAMASAKI(ガンクラブ濱﨑)での射撃練習会や大会、オリジナルのアパレルなどが人気を博しています。ピッチイベントやメディア発信を機に、県外からの来店が増え、獣害に悩む農家の声が届き、県よろず支援拠点といった支援機関や自治体、金融機関らのサポーター、若手後継者コミュニティなどの仲間が増えたとのこと。家業のポテンシャルやビジネスモデルを見直すきっかけにもなり、狩猟文化の再生や観光化、自然環境の改善という地域貢献に一歩ずつ近づいている実感があると言います。

27歳の起業家魂は留まることなく「狩猟と伝統産業とのコラボレーション」を考案中です。熱に強い信楽焼によるジビエ専用の燻製器や、臭みを消す弥平唐辛子とのタイアップ、肌触りのよい高島ちぢみとジビエレザーの風合いの掛け合わせ、ジビエの近江ブランド化などアイデアはあふれるばかり。希少なリソースを柔軟に進化させている県内唯一の銃砲店に気軽に立ち寄り、主催イベントに参加して、共に持続可能な滋賀の未来を創造しませんか。

企業概要

<株式会社濵﨑銃砲火薬店>

大津市長等3-2-24。
猟銃等の販売事業・火薬類の販売営業
電話:077-524-2751

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(公財)滋賀県産業支援プラザ 
情報企画課

TEL
077-511-1411

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