うちでのこづち67号
10/20

プラザ・ゼミナール第2回10 いまSDGsへの取り組みを宣言する企業が増えています。社会的責任はもちろんのこと、企業価値の向上、新たなビジネスの創出など、企業にとってさまざまなメリットがあるなか、滋賀県では社会的課題解決につながるイノベーションの創出やビジネスモデルの構築を目的に、産官金の連携拠点「滋賀SDGs×イノベーションハブ」(しがハブ)を設置。事務局長の堅田泰宏さんに取り組み方法について解説していただきます。エス・ディー・ジーズ(持続可能な開発目標) 多くの企業がなぜいまSDGsへの取り組みを進めているのでしょうか。中小企業にとっての「取り組むメリット」「取り組まないリスク」を具体的に考えてみましょう。SDGs(Sustainable Development Goals)とは、2015年の国連総会で採択された国際目標です。いまのままでは地球システムが限界に達するという危機意識のもと、持続可能でよりよい世界を目指し、2030年までの達成を目標とした具体行動指針が示されています。下記の17の目標と各々にヒモづけされた169のターゲットからなり、「誰一人として取り残さない、持続可能な社会の実現」を目指しています。堅田 泰宏 さん滋賀SDGs×イノベーションハブ事務局長。関西アーバン銀行(現・関西みらい銀行)支店長、広報室長、経営企画部部長等を歴任。2018年4月、出向により現職。事務局長として組織運営とともに、社会的課題解決につながるビジネス創出をサポートしている。そもそもSDGsとは?▼環境と開発は共存し得る 「三方よし」で「未来よし」へSDGs中小企業にとってのメリット持続可能な開発目標は「将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求を満足させるような開発」という概念でとらえられており、環境と開発は互いに反するものではなく、共存し得るという考えに立っています。滋賀県では全国に先駆け、2017年にSDGsを県政に取り込むことを宣言。「世界から選ばれる『三方よし・未来よし』の滋賀の実現」をテーマに取り組みを進めており、賛同する企業が次々に「SDGs宣言」を行っています。企業は利潤を追求するだけでなく、組織活動が社会へ与える影響に対して常に責任が求められています。ステークホルダー(利害関係者)である消費者、投資家および社会全体からの要求に対して、適切に意思決定する責任をもつ「CSR(Corporate Social Responsibility=社会的責任)」の観点から、SDGsに取り組むことは社会や地域からの評価の向上につながります。社会や地域の評価向上メリット1SDGsへの取り組みは企業価値を高める要素の一つになります。とくに近年、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの要素に着目して企業を分析し、優れた経営を行う企業に対して投資する「ESG投資」が株式市場で注目を集めており、その時流を見据え、SDGsに取り組む企業が増えています。企業価値の向上メリット2図・アウトサイド・インのビジネスアプローチの概念図図注:滋賀経済同友会「ニュー・グリーン成長社会」研究会 SHIGA戦略的CSR経営モデル2030よりアウトサイド・インの視点で創る新規事業社会的課題から本業としてのビジネスを新たに創出することができれば、SDGsは大きなビジネスチャンスになります。これからは持続可能な社会の実現に向けて「アウトサイド・イン(社会基点)」のビジネスアプロ―チへと発想の転換が求められます。下記の図のように社会的課題を基点にしたベクトル(右上から左下)と、企業のリソース(人材・技術・資金等)を基点とした左下からのベクトルがぶつかるところに新規ビジネスの可能性があります。新規ビジネスの創造メリット3製品・サービスの広がり企業(inside)顧客(市場)「既存顧客」に対する既存製品・サービスプロダクト・アウトステークホルダーの広がり社会的課題マーケット・イン社会(outside)「未来の顧客」に対する新しい商品・サービス ここに新規ビジネがある

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る