公益財団法人滋賀県産業支援プラザ

しがぎんアジア月報(平成31年(2019年)3月号)

2019年3月20日掲載

<目次>

  1. 香港とシンガポールの経済自由度(香港支店便り)
  2. 中国の自動車産業の動向(上海駐在員事務所便り)
  3. 第24回タイ国際旅行博(バンコク駐在員事務所便り)
  4. 為替市場動向

香港とシンガポールの経済自由度(香港支店便り)

2019年1月、米国シンクタンクのヘリテージ財団が発表した経済自由度指数によると、香港は90.2ポイントとなり25年連続で最も経済自由度が高い地域となった。香港は全12項目からなる調査において「財産権」「ビジネスの自由度」「政府支出」「税負担」「財政の健全性」「取引の自由」「投資の自由」「経済的自由」の8項目で90ポイント以上を記録した。一方、2位に位置するのは同じアジアのシンガポールでその差はわずかに0.8pポイント。過去の推移を確認してみると、実はシンガポールも“25年連続”で2位であった。

香港とシンガポールはともに、小さな面積にも関わらず、税制面の優遇や周辺地域へのアクセスの優位性を武器にアジアの港湾ハブ地域として経済発展してきた地域であり、結果は必然とも言える。しかしながら、興味深いことは「自由」に対するアプローチが、両地域で異なることだ。

先日、シンガポールに出張した際、現地の日系企業の方と話をしていた時に「シンガポールは政府の影響力が強い」との話を聞いた。確かにシンガポールは一党優位政党制を採用しており、その指導力・影響力の強さは想像に難くない。たとえばシンガポールでは、飲酒による暴動事件が発生したことを受け、アルコール飲料の夜間販売を規制したことがある。日本ではそう簡単に規制できないようなことを実際に規制してしまうところにシンガポール政府の影響力の強さを感じる。

一方の香港は今回の発表を受け、財務長官が「開放的かつ自由な貿易制度を保護し開放的な競争の場を構築していく」と述べたように市場原理に任せる方針のようだ。しかし、香港では、香港内と中国本土内の金融商品の相互購入を目指すなど様々な面で中国との一体化を連想させるニュースが毎日のように流れている。中国政府の影響が大きくなっていることは確かであり、今後香港の経済自由度が失われ、シンガポールが香港を抜いて世界一経済自由度の高い国となる日が来るのか、注目したい。

経済自由度指数グラフの画像とショッピングモールの買い物客の写真
 データ元:2019 INDEX OF ECONOMIC FREEDOM

(香港支店 木下)

中国の自動車産業の動向(上海駐在員事務所便り)

2018年の中国新車販売台数は2,808万台となり、前年の2,887万台から減少した。それでも販売台数世界第2位の米国の1,730万台を大きく上回る世界最大の自動車市場であり、中国の成長率が緩やかに減速する中、今後のその動向が注目されている。中国国家発展改革委員会は、2019年1月29日に自動車産業の消費刺激策を発表した。2017年末で小型車の車両購入税優遇政策が終了した影響もあり、2018年の販売台数は前年割れとなったが、2019年は排出基準が一定以下の旧型排ガス規制対応車の買替えや、農村での小型車の買替えに補助金を支給する他、新エネルギー車(NEV)への補助金支援を引き続き継続する。

特にNEVは、中国が将来的にガソリン車の生産・販売禁止を検討する中、中国の国策とも言われている。実際に2018年の中国のNEV販売台数は126万台で、前年の78万台に比べて約1.6倍となった。また、2019年から中国で年間3万台以上を生産する自動車メーカーには、一定数のNEV生産が義務付けられており、2019年以降もNEVの生産台数はシェアと共に右肩上がりで、中国内でのNEVの存在感は増してくると考えられる。その中で、NEVに関する海外自動車メーカーの動きとして、米国のテスラが上海・浦東の南側に位置する上海臨港産業区に、2019年1月に電気自動車(EV)工場を着工し、「モデル3」と呼ばれる低価格版の新型EVを中心に、当初年間25万台、最終的に50万台の生産を計画している。「モデル3」の販売価格は439,000元(日本円約720万円)からで、テスラはこれまで中国で販売するEVを米国から輸出していたが、上海工場の建設を急ピッチで進め、米中貿易摩擦の影響を最小限に抑えようとしている。

中国の自動車産業全体を見ると、保有台数は約2億台で、人口約14億人に対し約14%の保有率となり、米国の約38%、日本の約48%に比べると拡大余地はまだ大きい。また、NEVを取り巻く環境として、増え続けるNEVの充電需要を満たす「充電設備」の拡充など、充電インフラ・ネットワークの整備は大きな課題であり、そこに日系企業のビジネスチャンスが存在するかもしれない。

中国の自動車の画像とショッピングモールの買い物客の写真
【米国・テスラのEV車】
【左(緑色)がEV用、右(青色)が
 ガソリン車用のナンバープレート】

(上海駐在員事務所 北村)

第24回タイ国際旅行博(バンコク駐在員事務所便り)

2019年2月13日~17日の5日間、バンコク内クイーンシリキットコンベンションセンターで24回目となる「タイ国際旅行博(Thai International Travel Fair)」、通称TITFが開催された。2004年から開催されているTITFはタイ最大級の「B to C」旅行博で、現在は毎年2月と8月に行われており、年2回開催のうち、4月中旬にあるタイの休暇(ソンクラン休暇)を見据えた2月のTITFは出展ブース数、来場者数ともに規模が大きく、その数は出展ブース数約1,200ブース、来場者数約40万人にも及んだ。外国からの出展ブースの中でも日本ブースは特に多く、北は北海道から南は沖縄まで、日本各地の自治体や事業者が出展しており、近畿地域においても、滋賀県や京都府がブースを出展していた。また大津市もHISと連携して、地元観光地を巡るツアーの販売を行うなど、訪日タイ人の誘致に取り組んでいた。

TITFではタイの旅行代理店(HISやJTBの現地法人等)による即売会も実施されており、ソンクラン休暇を利用した日本への旅行を、多くのタイ人が申込んでおり、現地における日本行きの旅行人気を垣間見ることが出来た。

タイ人の訪日客数は年々増加しており、2018年は初めて100万人を突破。また日本からの訪タイ客数も過去最高となる150万人を突破するなど、日タイ双方にとって観光産業における関係は重要なものとなっている。

その中で、昨年に続き会場へ足を運んで感じることは、会場でのPRを通して、「次の展開」にもっとつなげることが出来るのではないかということだ。TITFは東南アジア最大規模の旅行博であり、より多くの訪日客を誘致するために、地元の旅行代理店と連携し商品化を図ることや、自治体だけではなく事業者と連携し、地域が一体となって継続的にタイにてPR出来れば、更なる魅力付けにつながるのではないだろうか。地域インバウンドの更なる発展に期待したい。

タイ国際旅行博での滋賀県ブースの様子の画像とTITF過去のブース数及び来場者数のグラフ画像
【TITF過去のブース数及び来場者数】
【滋賀県ブースの様子】

(バンコク駐在員事務所 田中)

為替市場動向

<チャート>
為替市場動向の画像
<先月の動き>

2月のドル/円相場は、前月末のFOMC(米連邦公開市場委員会)で米国の利上げ休止が示唆されたことや、中国経済指標が悪化したことなどを受けて、月初は108円台後半でスタートした。しかし米1月雇用統計の結果が市場予想を大幅に上回り、米金利が上昇したことで、ドル/円は110円台前半まで値を戻した。


中旬は、米トランプ大統領が、「政府機関の閉鎖はないだろう」「米中通商交渉期限が遅れても構わない」などと発言したことで投資家心理が改善する中、ドル/円は110円台半ばで底堅く推移した。その後、ドル/円は111円台を回復したが、米12月小売売上高が市場予想を大幅に下回ったことなどを受けて、110円台半ばまで下落した。


下旬は、黒田日銀総裁が「必要となれば追加緩和も検討する」との発言があり、ドル/円は底堅く推移した。その後も好調な米経済指標や米長期金利の上昇を受けて、28日には月中高値となる111円台半ばをつけた。


(市場国際部 北村(美))

※このレポートは、参考資料としてのみ作成しております。売買に関する最終判断はお客様ご自身でなさいますようお願い申し上げます。

新着情報

新着情報一覧

セミナー一覧
(掲載日順)

イベント・公募一覧
(掲載日順)

HOME > 新着情報 > しがぎんアジア月報(平成31年(2019年)3月号)

Project Siteプロジェクトサイト

滋賀県大津市企業情報ビジネスマッチングサイト

ミラサポPlus

イベントカレンダー

滋賀県よろず支援拠点

メールマガジン

コラボしが21

滋賀県プロフェッショナル人材戦略拠点

新型コロナウィルス関連の支援策等

BizBaseコラボ21

企業の取り組み事例

プラザの動画【YouTube】

【プラザ情報誌】うちでのこづち

滋賀県産業支援プラザから
最新の情報を発信中!

ページ
先頭へ