気象庁の3か月予報によると9月10月も全国的に気温が高くなる見込みで引き続き熱中症などへの警戒が必要とのこと、皆さんは暑さに伴う省エネ対策をどうされていますか?
地球温暖化やエネルギー資源などの環境問題に足元から取り組み、「遮熱ネットシステム」を開発したフクテツ工業株式会社を紹介します。
同社は創業60年、「共存共栄」の理念のもと、地域のネットワークを大切に産業用の合理化装置の設計、製造、アフターフォローまで一貫したものづくりをしています。そんなつながりの中で生まれたのが「遮熱ネットシステム」。真夏に60度にも達する工場の折板屋根に設置すると、屋根の温度は平均で20度近く低下、室内の温度上昇を抑え遮熱効果を示します。大きな特長は、固定パイプとネットの間にスプリングを備えていること。このスプリングが衝撃を吸収するため、近畿地方に甚大な被害を出した平成30年の台風第21号の際もトラブルがなかったそうです。
運動会などで子どもが熱中症で倒れるニュースに心を痛めていた代表取締役の嶋岡広一さんは今年7月、この遮熱ネットを湖南市立石部保育園に寄贈しました。計120平方㍍のネットは園舎の軒と園庭に設置され、外遊びに夢中になる園児をしっかりと守っています。
建物の窓、壁、室外機のほか、建設現場やアウトドアなど用途は多様。夏場の就労環境が改善された、空調コストが大幅に節減されたなどの声が寄せられ、「ありがとうの声が何よりうれしい」と嶋岡社長は言います。今、当支援プラザの「滋賀型・NT(ニッチトップ)企業創出支援事業」の伴走支援を受け、さらに付加価値の高い事業化、商品化に挑んでいます。光と風を通し、熱を遮る農業用ネットシステムも開発中です。
「地球をネットで包むくらいの勢いで温暖化対策に貢献したい」と語る嶋岡社長。ブラジル系の社員のためにポルトガル語でも朝礼を行うほどの社員思いです。企業や多くの人に役立つ事業をさらに広げたいと、熱い思いは続きます。
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