草津市にある「シンコー株式会社」は、北陸新幹線や近鉄ひのとりの車両の一部を塗装している会社です。ホームからは見えない車体の下の部分の「スカート」と呼ばれる排障装置で、障害物を車体の下に巻き込まないようにするための重要なパーツです。
時速260㌔㍍で走ると、小さな石でも大きな衝撃になります。塗装がはがれたり、金属が腐食したりするのを防ぐことが大切で、前処理としてリン酸亜鉛やリン酸鉄を使って表面に皮膜を作る作業をします。そのあと、技術者が一つ一つの部品に塗料を吹き付けます。大きいものでは長さ5㍍ほどの部品も塗装することができます。
頭上のトロリーコンベアからハンガーで吊り下げられた金属板が連なって流れ、エンジニアの皆さんが黙々と作業をされていました。
塗装にはたくさんの水を使います。滋賀県は特に排水基準が厳しく、同社でも濾過(ろか)方式や凝集沈殿方式と呼ばれる排水処理を行って作業をしています。水槽のPH値を定期的に測定するなど環境法令に沿った成分分析を行っています。
専務取締役の杉本泰威(すぎもと・やすたか)さんの夢は、東京-名古屋間に開通予定のリニアモーターカーの塗装を手掛けること。シンコー株式会社が手掛けたピカピカのボディがさっそうと走り抜ける姿を楽しみに待っています!
TEL:077-511-1411
E-mail:jouhou@shigaplaza.or.jp