滋賀県元気企業紹介
株式会社井之商
近江窯業株式会社
株式会社丸克製陶所
 創業105年の歴史のある丸克製陶所は、初代小西謙治郎氏が1900年に分家して「山謙」の屋号で始め、後に3代目、克郎氏が大型登り窯を築き「丸克」と改称。練炭火鉢と植木鉢の生産を始め、信楽の製造メーカーとして躍進するが、1980年に卸売り業にも進出。1990年に「陶芸の森」がオープンするのをきっかけに、観光産業を視野に入れた将来構想を考え、1988年に小売部と陶芸教室を新設。1991年には民間資料館として「信楽古陶館」を開設。1994年には信楽では初めてパソコン制御によるローラーマシン成形ラインを導入する。製造販売メーカーだけに留まらず、2003年には、伝統の信楽焼陶器に最先端の光触媒技術を導入し、空気脱臭清浄機を開発。中小企業創造活動促進法の認定を受けるなど、開発にも力を入れ、常に邁進し続けている。
■製造畑一本から全国販売、小売業に挑戦、日本六古窯の産地顕彰のため歴史資料館を開設へ
 代々登り窯を守り継いできた本家から、曽祖父の小西謙次郎が1900年に独立。三代目の父・小西克郎は新社屋を建設し1968年に法人化。一つの問屋に焼き物を全部買ってもらう旧来の「とり窯制度」から脱皮するため、問屋より安く売らないという約束で許可を得て、1980年から全国販売を展開。1991年の陶芸の森世界陶芸祭を前に本格的に観光産業に参入すべく、1990年4月に店をリニューアルオープンしました。また、歴史資料館の建設を行政に働きかけるものの、運悪く列車事故が起き実現は困難に。そこで、男気を出し1991年11月信楽古陶館を建設し、鎌倉・室町時代の壷から昭和初期のものまで古の信楽焼を収集し展示しています。1995年、組織改編に着手し「KOM FACTORY(コム・ファクトリー)」を設立し父が会長に、二番目の弟治さんが丸克製陶所社長に、卸売部門は株式会社陶里という別会社を設立し、三番目の弟三喜蔵さんが社長に就任しました。


▲県立陶芸の森の入り口にある会社外観

▲1200年の歴史ある信楽焼が鑑賞できる「信楽古陶館」入場料350円・9時〜17時(年中無休)

■東北地方のある大学の教授との出会いから、空気清浄機の要となる光触媒の特殊陶器を開発
 2003年4月、取引先の紹介で、東北地方のある大学の教授から、研究開発のための特殊陶器の製造を依頼されました。教授が瀬戸や常滑などどこに行っても断られたと聞いて、私共が役に立てるのではと父が手をあげたのです。信楽では江戸時代から火鉢を作ってきて昭和20年代には日本全国の90%のシェアを占めるくらい、昔から丸くて大きな焼き物が得意でした。しかし、教授から送られた原料は壁土のような素材で粘性がなく、どんなにやっても全く形になりませんでした。困り果て、信楽窯業技術試験場に持ち込み何とか形にしていただき、それを焼いて大学へ届けました。その焼き物を使って実験をしたところ期待通りの結果が得られ、空気脱臭清浄機の開発へと弾みがつきました。

信楽焼の良さ
▲形状が自由に造れる・湿度調節が可能など信楽焼の良さを生かして環境分野を開拓。

■一般の空気清浄機とは全く違う発想で、有害物質を分解・除去する無害化に成功
 その後、3種類の土の配合をいろいろ変える研究を重ね、ホルムアルデヒドの分解能力がよりすぐれた特殊陶器の完成にこぎ着けました。2003年9月、教授との共同開発により土の配合や焼く温度などの製法特許を出願中です。昨年末、信楽焼の空気脱臭清浄機の商品化に成功。仕組みは下の吸い込み口から汚れた空気を吸って、上からきれいな空気を出します。特殊陶器の光触媒の原理によって、二酸化チタンが紫外線に当たると強い酸化反応を起こし、ホルムアルデヒドやアンモニアなどの有害物質を水と二酸化炭素に分解させるんです。この光触媒の技術を使えば、フィルター形式の吸着式と違い分解・除去により確実に無害化できるんです。さらに、二酸化チタンは土に練り込んで焼き固めることにより効果は半永久的に継続します。
小西敏夫さん
▲専務取締役の小西敏夫さん
光触媒反応
▲光触媒反応の浄化概念図
■光触媒の最先端技術を生かし、環境配慮型商品の開発に力を注ぐ
たばこ臭実験グラフ 昨年、びわ湖環境ビジネスメッセに出展し、反響が大きく現在15、6社に販売代理をお願いしています。さらなる事業展開としてシックハウスや化学物質過敏症に悩む人に役立つような商品の開発を目指しています。陶器屋の経験を活かしより安く、形状もバリエーション豊かな一般家庭で使えるものを作りたい。今後、無光触媒や可視光触媒など蛍光灯や太陽光でも触媒ができる光触媒の新しい技術を利用して、高速道路などの防音壁にタイル状にして貼っておくだけで排気ガスの分解処理ができるといった用途も考えています。そのほか、特殊陶器を使い水槽に入れておくだけで水が濁らない、水が腐らないといった水の浄化に関しても研究中です。環境世紀にふさわしい最先端技術に信楽焼独特の「癒し」効果を取り入れ、インテリアとしても付加価値の高い新商品を追求していきます。


▲締め切った6畳の部屋でたばこのけむりを除去する実験

空気脱臭清浄機 「しがらき焼空気脱臭清浄機」。
二重構造で内側に光触媒の特殊陶器と外側にインテリアとして信楽焼を使用。小売り価格88,000円位でメンテナンスはランプの取り替えのみ
(1年間保証付・アフターサービス有)

■会社データ■

  • 株式会社丸克製陶所
  • 代表者/代表取締役社長 小西治
  • 本社/甲賀市信楽町(陶芸の森入り口)
  • TEL.0748-83-0359 FAX.0748-83-1230
  • 設立/昭和43年(1968年) 
  • 業務内容/インテリア・エクステリア陶器等の製造販売や信楽焼空気脱臭清浄機の開発製造販売。その他、陶芸教室や資料館も開設。
  • URL:http://www.marukatsu.com/