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1965年(昭和40年)、地域密着型の厨房設備業としてスタート。お客様の声を聞き、より安くよりよい商品の企画提案を通して業界の仕組みを変えてゆく“構造改革”を実践している。
大洋厨房株式会社 
代表取締役社長 西村 均さん

 創業は1965年(昭和40年)、もともと家電メーカーの営業マンだった父が、昭和39年の東京オリンピックの開催において、ステンレス製の厨房機器の導入を目の辺りにし、又、「これからはもっと学校給食を充実させていかなければいけない」という教育界の動きに呼応、厨房設備に対するニーズの高まりを予見し会社を興しました。当時の厨房設備というと、木製で作った物であったりモルタル、あるいはタイルでシンクを造るといったものが主流でした。滋賀県下では、ステンレス製の厨房設備を扱っているところがほとんどなかったのです。そこで、より衛生的な厨房設備を提供していこうと、ステンレス製の厨房設備の販売・施工を始めました。私も子どもの頃、仕事の手伝いをしていましたが、作れば作るだけ売れていくといった状況でした。
  創業当初は草津に社屋を構えていましたが、やはり、県庁所在地である大津まで行かないといろいろな情報が入ってこないという状況がありました。そこで、1973年(昭和48年)に現在の大津市におの浜の方に本社を移転しました。当時としては、伸びていたとの事でしたが、かなり資金的にも勇気がいった移転であったと聞いています。
  社名の「大洋厨房」は、「食文化環境の進歩発展の追求により5つの大海を駆けめぐり、世のため、人のために貢献する」という願いをこめてつけられました。

 私が社長に就任したのはちょうどバブル崩壊の時期でした。何をやってもどんどん数字が下がっていくというような時に社長になって、非常に厳しい環境の中で、経営について様々なことを考え、見直すことから始めました。その中で、経営的な数字と考え方とがアンバランスになっていることに気付きました。当時は利益を上げた社員に報奨金を出していましたが、そうすると、報奨金目当てに大きな利益を上げる社員がいたのです。しかし、それは長くは続かず長期的に見て企業の成長につながっていない状態でした。
  一方、社員からの叱咤激励やベテランの先輩社員からの厳しいアドバイスをいただく中で、経営者としてしっかりとした理念を持つことの大切さに気付かされました。そんな折、京セラの稲盛名誉会長の主宰する盛和塾と言う会に入塾させていただく機会を得、フィロソフィー(考え方)の重要性を痛感。又、京セラアメーバー経営と言う経営システムを導入しました。それに伴って、当社の経営理念と行動基準を明文化した「タイヨーフィロソフィー」を作成し、社員教育に取り入れるとともに、新たな経営システムに取り組んでまいりました。そして、「社会における食文化環境の進歩発展を追求し、お客様と社員の物心両面の満足を追求する。」という経営理念のもと、「心をベースとして経営する」「公明正大に利益を追求する」「原理原則に従う」「お客様第一主義を貫く」など全部で78項目の行動基準を策定し、日々の経営・営業活動の基盤としています。

 当社では、社員同士のコミュニケーションを大切にしています。部門リーダーが13人いるのですが、月1回の経営者会議のほか、毎週1回の部門ミーティングには部門のメンバー全員が参加して、それぞれの意見を自由に発表できるようにしています。また、各部門ごとにコンパを開催して、親睦の場を作っています。こうした部門ミーティングやコンパは、単なる営業会議や懇親会というものでなく、自由に本音で夢を語れる場として、将来の方向性や新しい事業展開のアイデアづくりに活用しています。
  また、格差がありすぎる報奨金制度をやめ、毎朝の朝礼で前日の受注・売上で最も貢献した人を発表し、拍手で報奨するという方法に改めました。また、社員の入社日や誕生日等についても記念日として、全員で拍手しています。このような方法で少しずつ社員とのベクトルや意識改革を促し、社内の雰囲気を変えております。

 今は景気が厳しく、経費削減が叫ばれている時代です。しかしこの業界では以前から構築された流通のシステムがあり、業務用というところに胡坐(あぐら)をかいているような部分があります。よいものを安く提供する仕組みづくりがまだ出来ていないのです。また、厨房機器や調理器具を使われるお客様の声が、メーカーになかなか届いていないという現実もあります。そこで我々は直接お客様と話が出来る立場を生かして、お客様の声を吸い上げ、それを製品づくりに反映してくれる意欲を持ったメーカーとパートナーシップを組んで、お客様のニーズに応える製品をより安く提供できる仕組みづくりに取り組んでいます。コックさんの必需品であるコック帽「クッカリーハット」や厨房用の「クッカリースニーカー」は、厨房で働く人々の声から生まれた当社オリジナルの商品です。我々が「これならお客様にプロの道具として勧められる」という目で良い製品を探し求め、国内外はもとより、様々なメーカーと交渉し、我々の改善提案に応じた製品を作ってくれる所と契約することで、新しい流通の仕組みをこの業界でも構築していきます。今後の事業展開は国際的視野に立って販路も地域のみならず広く海外に求めて事業展開をしていきたいと考えております。

 当社が本社を置く大津・膳所の地は、古くから食材を京の都に提供する「食のまち」でした。膳所神社には御食津神(みけつのかみ)という食と厨房の神様が祀られており、そんなところに運命的なものを感じています。現在、商工会議所が主催されるサマーフェストで、学生による大津のお土産づくりのイベントに当社の厨房設備を開放して協力しています。また、飲食店経営をしておられる方を対象に、当社で取り扱っている厨房機器を使ったセミナーなども開催していますが、将来的には、「食のまち」膳所の歴史的背景を生かすまちづくりをしたいと思っています。もう一つの夢は、食の専門家を育てる学園を作ることです。どのような形にしても、「食のまちづくり」のお手伝いができることが理想です。
  我々の業界はマーケットが全国で5000億円規模、そのうち大手約10社で2000億から3000億円程度を占めています。残りの2000億円を、地域密着型の企業が取り合っているのが現状です。そんな中、行動力の差が企業の差につながっていくと思います。近江商人の歴史と伝統を持つ我々は、まだまだ足で稼いで販路を海外にまで求めた近江商人から学ぶことがたくさんあります。そしてその行動力が、最終的には「三方よし」の実践につながっていくのではないでしょうか。我々も「三方よし」に学びつつ、行動力とお客様のニーズに応えるアイデアで、日本一を目指していきます。
会社データ

大洋厨房株式会社

代表者/代表取締役社長 西村 均

本社/滋賀県大津市におの浜3丁目1-39

   TEL.077-524-2857 FAX.077-524-2823


設立/昭和40年(1965年)

事業内容/厨房設備の設計・施工、板金製厨房機具類の製造・販売、食品の輸入・販売、食器・道具・備品の販売、店舗設計・施工

http://www.taiyocook.co.jp/


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