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リサイクルビジネスへ進出し、ゴミの減量化を実現するため住民と行政、企業が協働で「生ゴミ循環エコロジーシステム」を開発。環境先進都市を全国に知らしめた、カリスマ社長の先見性と経営改革で社員一丸となって持続可能な循環型社会へチャレンジを続ける。
株式会社水口テクノス 
代表取締役 小山浩さん

 もともと、ゴミ収集とし尿の汲み取りの会社ですが、下水道の普及によって仕事が縮小するなか、「新規事業を立ち上げねば」とリサイクルビジネスに進出。2000年に民間では県下初のリサイクルセンターを開設し、一般廃棄物を対象にした先駆的なリサイクル事業をスタート。旧水口町で分別収集されている16品目(現・甲賀市は22品目)のゴミの中から、空き缶や不燃ごみ、ペットボトル等の再利用に取り組みました。当時、甲賀郡内の家庭系可燃ゴミの処理施設のキャパが限界に達しており、ゴミの減量化は急務でした。そこで、目をつけたのが生ゴミでした。可燃ゴミの1/3を占める生ゴミの再利用を旧水口町に提案し、2002年(平成14年)に当社と行政と住民の協働による「生ゴミの堆肥化循環エコロジーシステム」の実現にこぎ着けたのです。甲賀郡内5町の合併で活動は甲賀市全域に広がり、約6,200世帯で取り組まれています(今年度目標は1万世帯)。一方、食品リサイクル法が追い風となり事業系でも滋賀県内外の約50社から持ち込まれ、1ヶ月200トンの生ゴミを再生・加工しており、年々そのニーズは高まっています。 

事業統括部次長兼営業部長の田畑義和さん(左)と
リサイクルセンター次長の小玉悟史さん(右)
 この生ゴミ循環エコロジーシステムが注目される理由は、できあがった堆肥を住民に無償で戻している点です。堆肥は家庭で生ゴミのリサイクルに再利用され、地域のなかで回収、発酵、戻しのプロセスが完全に循環するわけです。これら、システム全体のフローや高熟成堆肥による無臭化を含めて2006年(平成18年)に特許を取得しました。全国から多くの自治体が視察にこられ、システムの導入を検討されています。今後、生ゴミの地産地消も念頭に入れて、生ゴミ堆肥で農産物をつくり、地域で消費するのがベストと考えています。住民と企業が出した生ゴミからできた堆肥で、農産物をつくり消費するカタチを実現するために『NPO法人鹿深の森』を立ち上げました。作付け実験なども行い、大変好成績を収め、住民の方々にも評判上々です。昨年秋には休耕田を借りて耕し、今年の春にヒマワリの種まきをします。夏と秋に年に2回収穫し、生ゴミ堆肥で栽培したヒマワリの種から油を搾ってBDF(バイオディーゼル燃料)を精製する計画です。自分で出したものは自分の地域で処理する循環型の地域づくりへの新しい一歩を踏み出します。

 生ゴミの回収と同時に、月1回資源ゴミの日にペットボトルに入れて天ぷら油の回収に取り組んでいます。昨年度は約2万リットルの廃油が回収され、1.8万リットルのBDFに生まれ変わりました。精製したBDFは全量を自社のゴミ収集車やし尿バキューム車に利用され、資源の有効利用と同時に経費削減にも役立っています。甲賀市内のすべての学校から出る牛乳パックを1日に50kg回収し、牛乳パックから生まれたトイレットペーパーを学校へ無償でお返ししています。採算だけを考えると利益はあまり出ませんが、子ども達が飲み遺し無くストローもとってきちんと分別して、飲んだ牛乳がトイレットペーパーになって返ってくることを楽しみにしてくれることが環境保全活動の励みになっています。また、ゴミ収集車のボディに市内の幼稚園・保育園で描いてもらった絵をプリントして市内を走っています。“僕の描いた絵・私の描いた絵”が町を走ると子ども達が指を指して喜んでくれています。このように、子ども達に環境を身近に考えてもらえるきっかけ作りを通して、持続可能な甲賀市の未来を担う子どもたちが育ってほしいと願っています。

 ゴミ収集の仕事は、基本的には「売り手よし」の世界だと思います。「ゴミは集めたらそれでおしまい、後は関係ない」というのが通常ではないでしょうか。当社は、そんな意識改革を徹底して行ってきました。処理施設の塀は敢えて低くし、壁には絵を描いて明るい施設をデザインしました。そして、お客様が出されたゴミがどうなっているか、いつ見られてもいいように見学者を積極的に受け入れたのです。毎年、1300人〜1400人の市民グループや行政、同業者の方々が見学に来られます。住民が参加しやすくすることが環境保全を推進する大切なポイントだと思っています。どんなよい商品(技術)も売れなければ良い商品とは言えません。きれいごとだけでなく、ホンネの部分で損か得かの天秤にかけても落とされないようにするためには、一人ひとりが直接的に環境に取り組める仕掛けが大切だと感じています。リサイクルによって買い手にとっても収益をあげてもらえ、しかも楽しみながらリサイクルできる、「買い手よし」の活動を智恵と工夫で継続させ「世間よし」につなげることが当社の使命です。

 3代目社長の経営改革でリサイクルビジネスへの進出をきっかけに、新事業の許認可の取得は若い社員を次々に登用し、やる気次第で次々と重要なポストをまかせるという経営改革で、平均年齢も45歳と格段に若くなり、従業員は80人と約2倍に増え社員の定着率もよくなりました。2005年(平成17年)に収集・運搬業者では滋賀県で初めてISO14001を取得。一般廃棄物処理に対してマニフェストを提供し、今年度の処理実績と同時に来年度の目標数値をお知らせし、環境保全への取り組みを推進しています。一昨年にはリサイクルの対象を一般廃棄物から産業廃棄物に広げ、これまで処理できずに埋め立て・焼却処分されていたプラスチックを固形燃料化する事業が軌道にのり、資源の有効活用と同時に二酸化炭素の発生を削減するシステムで、化石燃料の代替として脚光を浴びています。現在、企業25社の産業廃棄物150トン/月から固形燃料が再生されていますが、まだまだ処理能力に余裕があるので、多くの地域企業の参画を期待しています。“ゴミのことなら水口テクノスに任せれば安心”と言ってもらえるよう、社員一丸となって新市場の開拓にチャレンジを続けます。

会社データ

株式会社水口テクノス

代表者/代表取締役 小山 浩

本社/滋賀県甲賀市水口町松尾502-18

   TEL.0748-62-1959 FAX.0748-63-1960
   

設立/昭和33年(1958年)

事業内容/一般廃棄物収集運搬業・一般廃棄物中間処理業・産業廃棄物収集運搬業・浄化槽維持管理業・農業集落排水処理施設維持管理業・管工事業・土木一式工事・水道施設工事・建築工事業・浄化槽工事業・下水道管内洗浄工事業ほか

http://www.biwacity.com/m-tec/


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