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高品位マテリアルリサイクルを通して「常に地球環境を守る」「お客様にとってコーディネーターになる」「従業員満足」の実現をめざす株式会社近江物産。近江商人の言葉「先義後利栄」を実践する。
株式会社近江物産 
代表取締役 芝原茂樹さん 


 近江物産は1977年の創業です。それ以前は芝原商店として繊維関係の業者でした。当時は飲料箱などが木からプラスチックに変わる頃でした。大阪からプラスチック成型メーカーがやってきて、栗東はじめ湖南地域に工場ができてきました。77年にプラスチックリサイクル専門の近江物産を設立し、今年で30年になります。
 プラスチックリサイクル業者は、小さくこじんまりしたところが多いのです。近江物産はお客様に安心してプラスチック廃棄物を出してもらえる企業としてきちっとしたものにしました。いい加減な処理をしていたら、次はありません。つながりを大切に、ひとつひとつをきちっとやってきました。そこで、「ここなら安心だ」と大手企業からも仕事を頼まれるようになってきたのです。





  技術開発も、プラスチックリサイクルに付加価値をつけるため自分たちでやってきました。1980年にプラスチック飲料ケースの印刷を剥離させる技術を開発しました。当時は印刷部分を人の手で削っていて、効率も非常に悪かったので、それを機械で行うようにしたのです。リサイクルプラスチックといえば、擬木にして公園のベンチにするような用途にしか使われていませんでしたが、こうしてきれいなペレットができることにより質のよいリサイクルプラスチックを作り出せるようになってゆきました。もうひとつ、自動車のバッテリーのリサイクルも、神岡鉱業といっしょに取り組んでいます(バッテリーケースリサイクルの50%シェア)。
  また、国や県の補助金事業などを受けて材料の耐久性・有害物質の確認・材料特性の改良などに取り組んでいます。そして滋賀県工業技術センター、龍谷大学、県立大学との産官学共同体制のもとに、プラスチック素材・廃材の研究・開発を行っています。社内にもプラスチック素材の材料研究室を開設しました。
 日本で出た産業廃棄プラスチックは、日本で処理するのが本当でしょう。これが、近江物産の商売の基本です。しかし、日本の企業の中には処理しないで中国の業者に渡しているところもあります。お金のことだけを考えたらそのまま中国に持って行くのが今は一番もうかるからです。日本国内でのプラスチックのマテリアル処理として表現されている185万トンのうち、その63%、117万トンが海外で処理されています。産業廃棄プラスチックの本当に日本国内で処理されているのは24%、33万トンに過ぎません。メーカーの中には「日本の産廃業者に出したら後は知らない」というところも多く、社名の入ったままの状態でゴミが中国に行っています。中国ではどのように処理されているのか一回見てみようと、今年2月上海へ行きました。現地ではゴミを手で選別し、洗って天日干ししていました。その水は処理しないでそのまま流しています。それが日本海へ流れ込み、焼いたものは黄砂といっしょに日本に飛んで来ることがあるかもしれません。
  近江物産では、年間1万8千トンのマテリアルリサイクルを行っています。これは、全国の6%に当たります。家電を洗ったときに出る排水の処理施設も、国の補助をもらい処理の研究をしています。出てくる水にあわせて処理する研究もしています。目先の金ではなく、10年後、20年後も「世間よし」の商売をしていたいから、社会的にも説明できる処理を行っているのです。
  私は「近江物産の営業は、物売りとは違う、困っているお客様のコーディネーターや」と言っています。一方的にうちだけがもうけようとしたら、「それはできません」で断って終わりです。お客様とキャッチボールしながら「分別すればリサイクルできますよ」と提案しています。今回は薄利であっても次がありますから。まさに近江商人の言葉「先義後利栄」。お客さまとの信頼関係を築き、パートナーとして認めていただけば仕事は後からついてきます。
  そして2年前に社長に就任した時「まず従業員満足を」と考え、更衣室、食堂、トイレをきれいにしました。気分よく仕事すれば自然にお客様にもよい対応ができますよね。また、経理の数字も社員全員にオープンにして月次報告会をしています。また、研修会や講座にも社員に積極的に参加してもらい、その報告を発表する場にもしています。現行制度の問題点について現場からの提案書も出てくるようになり社内の雰囲気が変わってきたようです。
  外部からは龍谷大学、県立大学のインターンシップを受け入れています。担当者を1人付け、テーマを与えてレポートを書くところまでやってもらいましたよ。また、地元栗東市の葉山中学、栗東西中学の体験学習を受け入れています。現場ではリサイクルの前処理として異物除去などをしてもらいました。

 平成13年にISO14001も取得しましたし、平成18年度には財団法人クリーン・ジャパン・センターの資源循環技術・システム表彰でクリーン・ジャパン・センター会長賞(※)を受賞しました。経済産業省が提唱する「3R」をいかに自分の企業で実践しているかが、認められたものと自負しています。
これからの目標として従業員が自分の家族を連れて来ることができる企業、「近江物産に勤めている」と誇りを持って言えるような企業にしたいですね。
※クリーン・ジャパン・センター会長賞:財団法人クリーン・ジャパン・センターは、経済産業省の後援で、廃棄物の発生抑制、再使用、再資源化に資する優れた事業や取り組みの奨励・普及を図ることを目的としてそれらを広く公募、発掘し、毎年表彰している。

会社データ

株式会社近江物産

代表者/代表取締役 芝原茂樹

本社/滋賀県栗東市大橋7丁目4-51

   TEL.077-553-6193 FAX. 077-553-7011
   

設立/昭和52年(1977年)9月

事業内容/プラスチック原料(再生・加工)販売、プラスチック製品の企画・販売、一般貨物自動車運送業
http://www.ohmi-bussan.co.jp/


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