売り手よし ・ 買い手よし ・ 世間よし - 近江商人から現代にまで受け継がれる三方よしの理念
  ホーム 三方よし理念実践企業紹介 株式会社マルト
  MENU
●三方よしの理念| 三方よしの理念 - 三方よしと現代企業 - 三方よしの原典 
●三方よしを語る|
企業の社会的責任 ●ミニ情報| 用語解説近江商人関係社会的責任関係 -
●近江商人に学ぶ|
商法と理念 - 近江商人企業塚喜商事株式会社西川産業株式会社   
●リンク集| リンク集
 

安い輸入材に押され、燃やすか放置させるしかなかった端材の有効利用「里(リ)炭(タ−ン)構想」を考案。これが会社として積極的に環境問題に取り組むきっかけとなり、「環境コミュニケーション大賞環境活動レポート部門」で2年連続「環境大臣賞」を受賞した株式会社マルト。
株式会社マルト
代表取締役社長 澤田藤司浩さん 


 多賀町は林業が地場産業でした。マルトは昭和5年に私の父(現社長の祖父)が創業した材木屋がスタートです。当時は製材、原木の販売が主で、売れない端材は木箱などの製品にして販売したり燃料にしていました。今思うと、昔は無駄のない商売だったような気がします。昭和36年代にはマルト林産工業所として製材業を軸に製函業、建築請負業と仕事の内容も膨らみ、昭和48年には個人経営から法人組織とし(有)マルト林産工業所を設立。昭和54年代に建築請負業の充実を図るため、建築部門を分離してマルト住研(株)を設立。その後、平成13年に建築部と製函部が合併し、社名を株式会社マルトに変更したのを期に会長になり現在に至ります。
私は若い頃、家業を継ぐのが嫌で、家業の手伝いよりも地元の青年団活動の方に力を入れていました。昭和34年に、当時皇太子殿下であられた天皇陛下の御成婚記念事業として開始された「青年海外派遣事業」(当時全国の青年100人を海外へ派遣)に、滋賀県からは一人でしたが参加し、当時のお金で一人約100万円もの海外派遣費用が出されたこの事業で、インドを中心に東南アジア7カ国を視察しました。その後、父親が倒れ昭和36年に家業を継ぐ事になるのですが、この時の貴重な体験を何らかの形で社会のためにかえしたいという思いが 現在、私を環境問題に取り組ませている大きな要因の1つにもなっていると思います。



取締役会長 澤田藤司一さん 
 環境問題に会社として取り組むようになったのは、10年前になります。昔は材木も高く売れ、景気のよかった商売でしたが、現在では規制緩和で安い輸入材に押され、林業従事者の後継者も育たず、深刻な業種です。当初、環境問題は全く考えていませんでした。材木は売れないし、端材もチップ(紙などの材料となる木を粉砕したもの)にしていましたが外国のチップ材の方が安く、採算が合わない状態でした。実際、その頃、端材は山に積んで腐らせたり、燃やしたりして処分していました。しかし、長い時間をかけて育ってきた木を端材といえどもゴミとして処理してしまうのはもったいない、なんとか利用できないかと考えるようになりました。
  木は山に放置して腐ればメタンガスが発生します。樹は二酸化炭素を吸って大きくなりますが、単純に廃棄物として燃やしてしまえばせっかく吸収した二酸化炭素を放出してしまいます。この辺の山では昔から炭を焼いている人がたくさんいました。またその頃、室内の化学物質にも炭が有効だと知りました。それらがヒントになり、そこから炭焼きを試験的に始めました。化学物質の入っていない木で焼いた炭は、床下の調湿や水の浄化に使った後も炭素を固定したまま土に還す事で、二酸化炭素を削減するのと同じ効果が得られ、更に土壌活性につながり、木々の発育も良くなります。また、炭焼きの副産物である木酢液も採取でき、土壌改良や植物の成長促進、害虫の防除、木材防腐剤、または食品加工や化粧品まで、様々な分野で使用されています。
  これまで無駄にしていた木を有効に使い、使った後は土に還す<リターン>。これがわが社の提唱する「里炭構想」です。
  長い年月をかけ育ってきた大自然の贈り物である樹を、木造建築や木製品はもちろんの事、枝・端材・挽き粉も炭や肥料にして大切に使う。「企業(きぎょう)」というよりも、地元の木を”樹を活かす”「 樹業(きぎょう)」でありたいという思いから、現在、従来の仕事に加え、6つの部門で「樹を活かす」仕事に取り組んでいます。
<「樹を活かす」6つの部門>
  製材・・・地元の山の木を建築材や製函材の材料にする。
  建築・・・木造建築で体にも家族にも地球にも優しい住まいづくりを目指す。
  教室・・・住まいづくりと環境についての勉強会「住まいの提案館」を開催
  木箱・木工・・・端材や間伐材も木箱や木製家具にして製品化する。
  環境・・端材を木炭や竹炭、木酢や竹酢、チップ、バイオ肥料にする里炭(リターン/土に還す)構想。
  森林・・・地元の山の木で家を建てるプロジェクト。
  平成13年(2001年)から、環境マネジメントの国際規格ISO14001の中小企業版といえる「エコアクション21」に、当社の「樹を活かす」特色をプラスして環境活動に取組み始めました。それをまとめた「環境活動レポート」が評価を頂き、平成16年(2004年)、平成17年(2005年)と2年連続「環境大臣賞」、平成18年(2006年)に「滋賀CSR経営大賞奨励賞」を受賞しました。
 2004年度からは上記の環境目標に加え、地元の山の木を活かす「地産地消」の考えで地元多賀の木で家を建築する活動に取り組みました。これは、二酸化炭素削減という地球規模で取り組まなければいけない環境問題の大きな取り組みの一歩であると私たちは考えています。木は、樹脂や鉄などの化石資源に比べ地球環境を考えた時に持続可能な資源として優れた素材ですが、現在の日本の木の8割は輸入材であり、海外からタンカーで運ばれ、国内であっちこっちを行き来する時の二酸化炭素の排出はかなりの量になります。防腐処理をして輸送に多くの原油を消費した輸入材が安価であったり、県産材の端材や間伐材を一番活かせる木箱や木製パレットが、それよりもずっと環境負荷のかかる樹脂やダンボールに変更されているのが現状です。地産地消で少しでも輸送距離を短くすることや海外の違法伐採された木を使わない事、素材が出来て廃棄するまでのトータルの環境負荷に目を向ける事は、地元の山や地球環境を考える上で大事なことであり、この取り組みを続けていくことは、住む人・地域・環境を守っていくことになると考えています。
  幸いにも「環境大臣賞」を二年続けて受賞し、環境に取組む事がお客様の信頼を得られる時代になった事を実感させて頂き、お客様との双方向のコミュニケーションも大切だという事を学びました。今、環境という視点からビジネスを見直すと、近江商人の家訓である“三方よし”に「売り手(の環境)よし、買い手(の環境)よし、世間(の環境)よし」と特に「環境よし」という考え方をプラスする事が必要不可欠だと思っています。
  今後の取り組みとしては、木をバーコードなどで管理し、お客様に野菜のような産地証明や木の履歴・環境負荷を表示し、地元の木を使って頂いた事でどれくらい環境に貢献して頂いたか、またその木にかかわって来た人の顔が見えるといった信頼のある家づくりや県産の木製品づくりを目指したいと思っています。まだまだ、道半ばですが企業が環境に取り組むことで自然と「三方よし」は実践できると私は確信しています。
 「樹を活かす」が我が社の理念ですが、そうするには山に目を向けなければなりません。日本の山は戦後、建築材料になる針葉樹を大量に植林しましたが、花粉症や猿・熊の里への出現というように、樹齢や樹種のバランスが崩れた事の環境への影響は計り知れません。さらに、近畿の水瓶である琵琶湖を抱える私たちにとって滋賀の森林は水の源であり、緑のダムとして水害を防ぐためにも森林を守り育てる事が大切です。健全な山に戻すには、手入れはもちろんの事、伐って皆さんに使って頂き、新しく二酸化炭素の吸収力のある若い樹を毎年バランスを保ち植林するといった持続ある循環が大切です。資源は無限ではなく有限です。社員20名の小さな会社ですが、川上と川下を結ぶ企業(樹業)として、お客様に使って頂ける地元の木の製品をつくり、木材を廃棄物にせず「土に還す」環境への取組みが、我が社に課せられた使命であると考え、これからも環境問題に取り組んでいきます。
会社データ

株式会社マルト (平成18年3月取材)

代表者/代表取締役社長 澤田藤司浩

本社/滋賀県犬上郡多賀町佐目725-2地

   TEL.0749-49-0203 FAX.0749-47-1056
   

設立/昭和5年(1930年)

事業内容/製材業、建築資材、炭製造販売、堆肥製造、製函業、木製品製造、建築請負業、一級建築士事務所

http://www.maruto-s.com/


三方よし理念実践企業紹介
株式会社アオヤマエコシステム
大洋厨房株式会社
有限会社白浜荘
有限会社つるや
株式会社山久
株式会社住文
株式会社スポーツショップキムラ
廣瀬バルブ工業株式会社
カシロ産業株式会社
近畿精工株式会社
有限会社とも栄菓舗
喜楽鉱業株式会社
ティーアールエージャパン株式会社
株式会社水口テクノス
小林事務機株式会社
株式会社ミヤジマ
協和工業株式会社
藤野商事株式会社
株式会社葭本ダンボール
株式会社近江兄弟社
滋賀リコー株式会社
滋賀ダイハツ販売株式会社
ツジコー株式会社
有限会社豆藤
株式会社タオ
本間工業株式会社
滋賀特機株式会社
有限会社ブルーベリーフィールズ紀伊國屋
大津板紙株式会社
丸中醤油株式会社
株式会社鮎家
株式会社近江物産
甲西高周波工業株式会社
滋賀建機株式会社
株式会社湯元館
サンライズ出版株式会社
株式会社尾賀亀
有限会社池田牧場
株式会社井之商
株式会社岡村本家
株式会社平和堂
株式会社マルト
油藤商事株式会社
国友工業株式会社
株式会社黒壁
株式会社千成亭
田中建材株式会社
オーシャン貿易株式会社
新江州株式会社
株式会社たねや
株式会社比叡ゆば本舗ゆば八
株式会社日吉
近江商人企業
塚喜商事株式会社
西川産業株式会社
| 財団法人滋賀県産業支援プラザホームページ | お問い合わせ
ホーム