 |
株式会社 比叡ゆば本舗ゆば八
代表取締役社長 八木幸子氏 |
「比叡ゆば」は1200年前比叡山に最澄が中国より仏教と共に伝えた、いわば日本のゆばのルーツ。昭和14年創業の「ゆば八商店」を、昭和44年故・八木憲一氏が「日本一のゆば屋」を目指して法人化。老舗の暖簾を受継ぎながら、全国の珍味問屋に取引先を開拓、海外には貿易商社を通じて世界の料理人にゆば文化を広めました。2代目女性社長として「ゆばを高級料理でなく、家庭の食卓で愛されたい」と一念発起、メディアを活用しゆばブームを仕掛けました。大津市市制百周年を機に「ゆば工場見学体験ツアー」で観光バスを誘致、平成9年にバリ島でナシゴレンのトッピングに、平成11年に韓国で焼肉をチシャの代わりにするなど和洋中の創作料理やデザートを考案し国内外で発表。昨年、パリの滋賀県人会世界大会でゆばの仏料理が13品並び、まさに歴史が動いた瞬間でした。乾燥ものオンリーだったゆばの世界から彩り美しい三色ゆば、焼印を捺した絵文字ゆば、ゆばの佃煮など今や200アイテム以上を製品化し数多くの特許を取得しています。比叡山御用達。平成9年「乾燥ゆば詰合京雅花」で農林水産大臣賞受賞。昭和26年・56年に献上之栄誉2回。
|
|
 |
故・八木憲一社長はいち早く週休二日制を導入し、従業員が愛しいという心の経営と、お客様が笑顔で食べていただける商品作りを心がけていました。厳選された良質の丸大豆と水でつくる、よそのゆばとどこが違うといえば先人の知恵が凝縮する「技」と「心入れ」がちがうのです。21世紀型企業として一歩先行く経営哲学を旨としていたので、「三方よし」という理念が注目される今、やっと、ゆば八の時代がやってきたと感じています。会社を引継いだとき、夫が経営理念としていた"温故知新"に女性の感性を重ね"創意工夫"と"共存共栄"を社是としました。「温故知新」には古きを生かし新しきを活かす心づくりを、「創意工夫」には生きがいやりがいを感じる職場づくりを、そして「共存共栄」にはお客様の喜びを目標とする商品づくりを込めています。お給料はお客さんからのお駄賃です。だから、お客さんを感動させなければなりません。明日のために生きるのでなく、今日という日を精一杯生きることを大切に、「一歩前に出るのも、一歩下がるのも同じエネルギー、下がったら出た人と二歩差がつく。だから常に前進あるのみ」という元気パワーがゆば八の社風です。 |
|
|
 |
| 「三方よし」の心得として、売り手よしは適正利益、買い手よしは顧客に感動を、世間よしは適正納税、そして「損して徳とる」。水も溜まれば腐敗するように、故社長は不況期にこそ皆が滞留資金を有効活用すれば自らに帰依する、生き銭になると申しておりました。その言葉を守り、長浜に6反の休耕地を借り上げ新工場を建設、地元の雇用創出と地場の大豆を原料とし農業とタイアップすることで地域と共に歩んでいきます。一方、環境負荷を減らすため、産業廃棄物となるおからのリサイクル・リユース商品の開発に挑み、他業種とも積極的にコラボレーションを展開中です。福祉作業所ともタイアップし、「おからクッキー」「豆乳おからうどん」など人気商品が誕生しました。とくに、豆乳おからうどんは母の介護の経験から、お通じをよくする介護食をと高齢化社会に貢献したいという気持ちから開発いたしました。三方よしの理念から、お料理店はつくりません。あくまで、食材屋に特化し、レストランとタイアップを図ります。全国からゆば工場見学体験に来て下さるお客様に感動を提供し、比叡ゆば料理を提供して下さっている比叡山延暦寺会館をはじめとした料理店さんを紹介させていただくことで共存共栄の道を拓いていきたいと思います。
|
|
|
 |
| 現在、近畿財務局モニター委員会や県産業振興委員、県教育委員会など関連の公職を務めています。平成9年全国女性経営者交流会以来、「八木さんの話を聞くと元気になる」と依頼が増え、月4〜5回講演で全国行脚しています。小中学校から工場見学&お話をよく聞きに来てくださいますが、子ども達の瞳が輝いていないのが気になります。ある中学3年の男の子が、「僕、受験に失敗したら八木社長雇ってください」と言うのです。「受ける前から落ちること考えてどうするの!君の夢はいったい何?」と問いました。「機械の勉強がしたいけど、今からでは無理や」と言うので「機械をやりたいなんてすばらしい夢じゃない!ノーベル賞だって取れるかも知れない。未来は自分で変えるもの」と一生懸命説きました。すると彼は先生に相談し毎日補習授業を受け、見事に高校合格を果たしたのです。数字や利益など過去の結果にとらわれず、自分自身を磨き、未来にチャレンジする元気(元からある気持ち)を出しましょう。出会う人すべて、身に起きることすべてに感謝できる境地「ありがとうチャンネル」にチューニングし、幸せを運ぶメッセンジャ―として社会貢献に邁進したいと思います。
|
|
|
 |
昨年5月、世界の有名人シェフ、ノブ・マツヒサとの出会いがありました。ロバート・デニーロに誘われ、ニューヨーク、ロンドン、東京など世界11カ国でノブ・レストランを開店。食材に拘る彼が「比叡ゆば」で創作料理を出していると知り、4〜5日毎に世界を巡る彼との出会いを実現しました。自分がいかにゆばを愛し、日本のゆば文化を世界に広めたいか熱い思いを伝えました。その後、彼のレシピ本『nobu
THE cookbook日本語版』が出版され、ゆば料理のレシピが掲載され"ノブではゆば八の比叡ゆばを使用"と明記されたのです。目下念じている夢はロバート・デニーロさんに工場に来てくださること(笑)。NHK放送局『全国うまいもの名鑑』で「比叡山の雪見懐石」を企画したときには本当に吹雪になり、念ずれば天気も叶うのですよ(笑)。13年かけて念願だった「比叡ゆば」の商標登録にも成功しました。何度もチャレンジし、全国の知名度で夢を果たすことができたのです。何事も真剣に取組めばひらめきや直感がおこるのです。主人がゆば一筋で創り上げた「比叡ゆば」ブランドで差別化を図り、世界のスローフード文化を牽引するような高付加価値戦略を仕掛けていきたいと思います。
|
|
|
| 会社データ |
株式会社 比叡ゆば本舗ゆば八 (平成16年3月取材)
代表者/代表取締役社長 八木幸子
本社/〒520-0043 滋賀県大津市中央四丁目3の10
TEL.077-522-7398 FAX.077-525-7128
創業/昭和14年(1939年)
事業内容/ゆばの製造・販売
|
|
|