公益財団法人滋賀県産業支援プラザ

しがぎんアジア月報(平成31年(2019年)2月号)

2019年2月19日掲載

<目次>

  1. 米中貿易摩擦(香港支店便り)
  2. 中国における日本産食品販売(上海駐在員事務所便り)
  3. ベトナム初国産車メーカー(バンコク駐在員事務所便り)
  4. 為替市場動向

米中貿易摩擦(香港支店便り)

米中貿易摩擦については、先月号のアジア月報「2019年香港経済の展望」でも触れているが、その影響が当初の心理的不安から実体経済への影響に移行しつつある。先月、日本電産の永守会長が「経験したことのない落ち込み」と語られたことは記憶に新しく、香港当地においても電子部品や物流関係を中心に日系企業からは“厳しい”との声が多く聞かれる。

ここで見誤ってはいけないのは米中貿易摩擦がトランプ大統領だから起こったのではないということだ。トランプ政権は原因ではなく、あくまで結果であり、2010年頃から始まっていたと言われている。アメリカの中国に対する姿勢で参考になるのが、昨年10月に行われた副大統領の演説であるが、辛辣な内容であったため、「米中冷戦」の幕開けを宣言したとも伝えられている。

時代背景や市場規模等が異なるため、一概に比較はできないが、繊維、鉄鋼、テレビ、自動車、半導体と約40年間に渡り繰り広げられた「日米貿易摩擦」の歴史を考えると、簡単に米中貿易摩擦が終わるとは考えにくい。日米貿易摩擦の対象品目は様々に移り変わったが、都度日本は譲歩を迫られてきた。今回の米中貿易摩擦も譲歩がなければ、“20年は続く”との認識が必要かもしれない。

一方で旧正月を迎えた香港の町並みは活気に溢れ、米中貿易摩擦の影響を感じさせない。2018年に香港を訪れた旅行者は約6,515万人と過去最高を更新し、香港経済を牽引する個人消費に大きく貢献した。2019年も米中貿易摩擦の影響を吹き飛ばすだけの旅行者の消費力に期待したいものである。

世界経済の不確実性への懸念が強まる米中貿易摩擦であるが、中国・香港の最先端拠点として、日系進出企業の動向を中心とした情報収集をしっかり行い、引き続き皆さんにお伝えしていきたい。

香港の観光客推の画像とショッピングモールの買い物客の写真
便乗セールを行う家具屋
(徹底ダンピングとの文字が…)
厳しい環境下、3.0%成長に挑戦する香港政府
(写真は香港政府総部)

(香港支店 荻野)

中国における日本産食品販売(上海駐在員事務所便り)

中国の消費者にとって、日本は「安心・安全」なイメージのある国として評価が高いと言われている。2018年12月にJETROが発表した中国の消費者へのアンケート調査結果では、輸入食品を購入した経験がある中国人の中で、輸入食品の原産国別で日本は67.5%の第1位となり、第2位の韓国の34.7%を大きく引き離している。また、越境ECでの日本製品購入経験率は65.3%であり、越境ECによる日本製品の購入は、中国では比較的身近な存在と言えよう。

こういった背景にも関わらず、日系食品企業の中国国内販売はマーケットが大きすぎ、顧客層を絞れないためか、苦労されている日本企業が多い。上海市内でスーパーを展開する企業によると、日本産食品は強みではあるが、ただ店頭に商品を並べても、売れることはなく、中国の消費者は対面式で商品説明を聞いた上で、商品を購入したいという購買心理が年々強くなっているようだ。

そのため、上海では日本の食品をPRする対面式の販売企画や催事が頻繁に開催されている。例えば、上海で最も日本産食品が充実している地下食料品売り場での日本産パックライスの試食販売会が行われ、通常より長期に及ぶ1週間連続で実施された。また、こういった動きは領事館も支援に乗り出しており、上海日本国領事館を会場としたセミナーで、当日の参加者約70名(全て中国人)に対して商品説明を約15分行った後、サンプリングとして実際に商品を提供し、その後、自社販売サイトへQRコードで誘導するなど工夫も様々だ。

中国の消費者は「本物かどうか?」、そして「安心・安全」を求めており、上述の対面式販売企画のように、商品を「説明」→「理解」→「体験」→「納得」の一連の流れが重要なようだ。また販売手法として「店のみ」「ネットのみ」ではなく、「オンライン」のネットの売り場へ誘導するために、直接接点と情報発信の対面式「オフライン」での取組によって、顧客に対し商品をPRし、浸透させていく必要があるのかもしれない。最先端ネット社会と言われている中国だが、地道なプロセスを踏む戦略に、意外と活路があるのではないか。

香港の観光客推の画像とショッピングモールの買い物客の写真
【セミナーのサンプリング光景】
【日本産パックライス試食販売会】

(上海駐在員事務所 北村)

ベトナム初国産車メーカー(バンコク駐在員事務所便り)

ベトナムの不動産最大手ビングループが電動バイク、自動車産業への参入を発表してから1年、日系企業にも少しづつ影響が出始めている。ビングループは、不動産開発、ショッピングセンター、コンビニ、病院や学校運営、農業事業に至るまで多角的に事業を行っているベトナムの大手上場企業だ。電動バイク、自動車産業へは「ビンファスト」というブランドを立上げ、「世界レベルの自動車をベトナムから発信する」と参入を表明。自社ブランドで完成車を造るメーカーとしては、ベトナム初であり、国も税制優遇やサプライチェーンの構築に向け支援体制に入っている。ビンファストの工場はベトナム北部のハイフォンの経済特区に立地し、車体、エンジンの組み立て、塗装など全ての製造ラインを備え、2019年後半には5人乗りセダン、7人乗り多目的SUVを年間10万~20万台生産、2025年までに年間50万台を生産する計画が発表されている。

現在、自動車生産にさきがけ、電動バイクの販売が開始されたところだ。電動バイクの販売価格は、ベーシックモデルで約3,400万VND(ベトナムドン、約17万円)、プレミアムモデルで約5,700万VND(約28万円)と、ベトナムで流通するホンダのバイク(15万円~20万円)以上の強気の価格帯であるが、既に2,000件以上の注文を獲得しており、ベトナムの高度経済化がうかがえる。

このビンファストの動きの裏側では、3,000人規模でのエンジニアの募集、引き抜きが行われており、一般的に月2,000万VND(約10万円)程度のエンジニアの給与水準が、現在2倍~3倍近くまで高騰している。ある日系企業では、エンジニアの引き抜きによって、製造ラインがストップする事態も発生しており、ベトナム人の雇用環境含め日系企業へも大きな影響が出ている。今後サプライチェーンの確立に向けた外資の招聘も予想され、日系企業を取り巻く環境は大きく変化していくだろう。今後のビンファストの動向に注目していきたい。

香港の観光客推の画像とショッピングモールの買い物客の写真
 【販売が開始された電動バイク】
【ビンファストのロゴマーク】

(ベトナム研修生 太田)

為替市場動向

<チャート>
為替市場動向の画像
<先月の動き>

1月のドル/円相場は、3日の早朝一時的に104円台前半まで急落する波乱の幕開け。その後、108円台まで値を戻すと、下旬には110円台近辺まで上昇した。しかし、パウエルFRB議長の会見がハト派であったことからドルは反落。108円台後半で越月した。


月初は、流動性が低下するなか、ドルは107円台から104円台前半まで急落。しかし4日発表された米雇用統計が良好な結果であったことや、パウエルFRB議長が政策運営に柔軟な姿勢を示したことなどから108円台半ばまで上昇した。


中旬は、108円台半ばで小動きとなったが「米国が中国への関税の一部緩和を検討」との報道を受けて、ドルは109円後半まで上昇した。


下旬に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)では、市場予想通り政策金利の据え置きが決定された。しかしパウエルFRB議長の発言内容が利上げ先行きに対し、ハト派であったことからドル安が進行。109円を割り込み、108円台後半で越月した。

(市場国際部 酒井)

※このレポートは、参考資料としてのみ作成しております。売買に関する最終判断はお客様ご自身でなさいますようお願い申し上げます。

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