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しがぎんアジア月報(平成31年(2019年)1月号)

<目次>

  1. 2019年香港経済の展望(香港支店便り)
  2. 中国の最新食品スーパー事情(上海駐在員事務所便り)
  3. 日本食レストランの登竜門(バンコク駐在員事務所便り)
  4. 為替市場動向

2019年香港経済の展望(香港支店便り)

2018年の香港経済は振れ幅の大きい1年となった。第1四半期の経済成長率が4.7%と約7年ぶりの高水準を記録したものの、米中貿易摩擦の影響もあり第3四半期は2.9%と減速感が強くなった。香港・華南地域経済の起爆剤として期待された「奥港澳大湾区構想(広東省・香港・マカオの経済協力を強化する構想)」に具体的な動きは乏しく、9月には香港と中国本土を結ぶ高速鉄道「広深港高鉄」、10月には海上橋「港珠澳大橋」がそれぞれ開通したが、今のところ経済効果は限定的である。

各社・金融機関エコノミストの分析では、2019年の香港の経済成長率は、前年予想を大きく下回り、過去10年の平均成長率である2.7%にも届かないと予想するものもある。また、アジアの駐在員を対象に昨年末実施された2019年の景気動向調査においても、香港、中国の景気が「良くなる」と回答したのがそれぞれ5.4%、5.2%に対して、「悪くなる」と答えたのは51.4%、43.3%と世論調査でも極めて悲観的な結果となった。ネガティブな先行き予想の背景には、米中貿易摩擦の長期化懸念と香港の新しい住宅施策や金利上昇など悪材料が重なったことによる住宅価格下落の圧力があると考えられる。

米中関係の冷え込みが香港経済に与える影響は少なくはないが、香港政府も状況を打破するために様々な施策を打出している。昨年からのイノベーション分野への予算拡充、ハイテク産業への助成金、大学の研究能力向上を目的とした基金への援助拡大など、これまでになかった景気刺激策を実施しており、今月下旬に開催されるスタートアップ企業の展示会には約1万人の来場が見込まれている。今年から香港とASEAN諸国との間でFTAが本格始動する見込みであり、また中国本土が香港から輸入する香港製品の関税免除についても1月1日より条件緩和が実施され、貿易量拡大が期待されている。

2月は旧正月の大型連休があり、昨年開通した海上大橋や高速鉄道の利用者が増加し、来港者が消費を賑わせてくれることに期待するとともに、香港経済が不安を払拭し、良化してくれることを願いたい。

香港経済成長率予想
機関・銀行名 2018年予想 2019年予想 前年比
IMF(国際通貨基金) 3.8% 2.9% ▲0.9%
アジア開発銀行 3.4% 2.9% ▲0.5%
香港大学 3.4% 2.8% ▲0.6%
HSBC 3.5% 3.0% ▲0.5%
中国銀行(香港) 3.8% 2.3% ▲1.5%
Standard Chartered銀行 3.4% 2.7% ▲0.7%

出所:香港文匯報など

(香港支店 宮内)

中国の最新食品スーパー事情(上海駐在員事務所便り)

「盒馬鮮生」(フーマーシェンション)は、アリババ出資の生鮮食品スーパー。2015年設立の若い企業だが、2018年末には上海で約20店舗、中国全土で100店舗を超える。リアル店舗での買い物も可能だが、このスーパーの一番の特徴は、「店舗から半径3km以内は30分以内配送」をキャッチフレーズとしたデリバリーサービスだ。店舗外からスマホアプリで注文が入ると、自動的に最寄り店舗が選択され、商品が出荷される。商品配送の仕組みは、店内のピッキングスタッフが手に持つ電子端末で、顧客注文商品を店頭でピッキングし、専用バッグに詰め、そして専用バッグをクレーンに載せ、天井に張り巡らされたレールにより、バッグヤードで待機中の配送スタッフに引継がれる。青果などはピッキングしやすいよう予めパッキングされ、「30分以内配送」のための工夫が図られている。

利用者の目線で見ると、配送時間は繁忙時には約1時間を要することもあるが、注文商品1点でも配送料は無料(注)で、販売価格も一般的なスーパーの店頭価格と比べても、それほどの割高感は無く且つ生鮮品は新鮮で、宅配時の配達員の対応も相対的に丁寧だという評判もある。「盒馬鮮生」のビジネスモデルは、ECによる注文が7割を占め、そのアプリユーザーが月平均4~5回の買い物で利用するリピート率の高さにより、延床面積あたり売上高が一般的なスーパーの約4倍、利益率は約2倍と言われている。また「店舗から半径3km以内」の配送エリア限定による効率化も含め、高収益に繋がっていると言える。

電子決済手段であるアリババのアリペイにより、「誰が何時、何を買ったか」という顧客データの一元化が可能で、ECのみならず、リアル店舗での買い物も融合した「盒馬鮮生」の新しいビジネスモデルは日本でも注目を集めており、一目見ようと日本からの視察も増えてきている。店舗の棚をそのまま倉庫として代用する効率的な物流など、「買い物難民」などが問題となっている日本の小売業界にとっても示唆に富むビジネスモデルかもしれない。中国ビジネスのスピードを体現し、急成長する「盒馬鮮生」の今後の展開に引き続き注目したい。

香港の観光客推の画像とショッピングモールの買い物客の写真
【店頭商品を詰めた専用バッグが、店内天井のレール(写真左)から配送スタッフへ(写真右)】
(注)・・・注文商品 1点のみでの配送料無料は、1個人1日1回の制限あり。

(上海駐在員事務所 北村)

日本食レストランの登竜門(バンコク駐在員事務所便り)

JETROバンコク事務所が発表した「2018年度タイ国日本食レストラン店舗数調査」では、タイ国内の日本食レストラン数が 3,004店舗となり、2017年度調査時の2,774店舗から230店舗増加した。タイ人所得水準向上により日本食を食す人が増加しており、タイの財閥グループが日本の大手チェーン店とアライアンスを組んで、タイ全土に店舗拡大していることが主な要因である。

一方でバンコク内の日本食レストラン店舗数は、2016年度 1,753店舗をピークに2年連続減少し、1,718店舗であった。新規出店数は 444店舗あったが、閉店数が465店舗とそれを上回っている。このような環境下においても日本企業の進出が相次いでおり、高島屋が2018年11月10日にオープンし、京都で馴染みのあるとんかつ店「かつくら」や大阪のすき焼き・しゃぶしゃぶ店「きっしゃん」など7店舗がタイ初進出をしている。また11月29日(いい肉の日)には滋賀県で近江牛の繁殖、肥育、卸売(輸出含む)、精肉販売、レストランなどを一貫して手掛ける岡喜商店が、海外初の店舗となる「近江牛 岡喜」をオープンした。

タイでは、飲食業の外国企業参入は、外国人事業法において競争力が不十分な業種として禁止されている。出店するためには、出資比率の50%超をタイ資本にする必要があるなど、参入障壁は高い。それにもかかわらずバンコクで日本食レストランの新規出店が多い背景には、中間層以上のタイ人比率の増加により日本食を食す比率が高まっていること、在留届出ベースの日本人駐在員が約7万人(10年前比較約40%増加)とアメリカ、中国、オーストラリアに次いで海外で4番目に多いこと、食品加工業も盛んで鶏肉などの食材は日本より安価で仕入られることなどが考えられる。

海外初進出の「近江牛 岡喜」バンコク店の写真
海外初進出の「近江牛 岡喜」バンコク店
また訪日タイ人客が年々増加しており、日本ブランドを好むタイ人も増加していることも後押ししている。

バンコクは、日本食レストランにとってグローバルな事業展開の登竜門と言える。

(バンコク駐在員事務所 田中)

為替市場動向

<チャート>
為替市場動向の画像
<先月の動き>

12月のドル/円相場は、113円後半で取引を開始。下旬にかけて112円を割り込むと、一気にドル安が加速。月末には110円台を割り込み、月中最安値となる109円半ばを示現し、越年した。


月初は、米中首脳会談での追加関税措置見送りなどを好感し、ドルは113円台後半で推移。しかしその後はFRBの利上げ観測の後退や、米中関係悪化の懸念再燃などから112円半ばまでドル安が進行した。


中旬は113円台半ばでのレンジ推移で始まるも、FOMC(米連邦公開市場委員会)で2019年の米国利上げ見通しが引き下げられると、米金利は急低下。低調な米経済指標も加わりドルは112円台前半まで下落した。


下旬は世界的な株安進行や米政府機関の一部閉鎖を受けて、リスクオフの展開。クリスマス休暇で薄商いのなか、ドルは110円前半まで急落した。その後一時的に反発するもドルの上値は重く、年末には月中最安値となる109円50銭台で越年した。

(市場国際部 樋口)

※このレポートは、参考資料としてのみ作成しております。売買に関する最終判断はお客様ご自身でなさいますようお願い申し上げます。

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