しがぎんアジア月報(2018年4月号)

<目次>

  1. 香港における会社条例の改正(香港支店便り)
  2. 中国における環境規制(上海駐在員事務所便り)
  3. ラオス・ビエンチャンを走る京都のバス(バンコク駐在員事務所便り)
  4. 為替市場動向

香港における会社条例の改正

香港政府が1月に発表した「改正会社条例」が3月1日から施行された。香港上場企業を除く香港に設立された全ての企業が対象であることから、日系を含む多くの企業が対応に追われた。昨年6月末時点の改正草案では今年3月からの施行を予定していたが、今年の1月半ばまで正式に可決されなかったため業界関係者らは当局から十分な猶予期間、なんらかの説明会が設けられるとみていた。しかしながら実際には施行まで1ヶ月程度しか時間がなく改正を知らなかった企業も多かったとみられている。

今回の改正ではコンプライアンス条項における各企業の重要支配人情報を重要支配人台帳に記載し登録することが新たに義務づけられた。改正による狙いは、金融自由度の高い香港における反マネーロンダリング(資金洗浄)やテロリストの資金調達対策に対する国際的な要求が厳しくなる中、企業の透明性を高め、悪用を防ぐ為である。

重要支配者に関する情報を調査、登録する責任と義務は企業側にあるため、「現在調査中」のまま放置、「わからない」では済まされず、調査のプロセスと結果についてしっかりと説明できる準備をしておくことがポイントとなる。香港政府は既に本改正の対応状況を確認するためチームを発足させ実際に企業調査を行っている模様で、対応状況によっては最大HKD25,000(約35万円)、違反を継続すれば1日ごとにHKD700(約1万円)の罰金処分が科される。

香港には無人企業や現地スタッフだけで運営されている企業も多く、対応状況は企業によってバラつきがあると予想される。運用は始まったばかりであり政府がどの程度、厳格に管理していくかは不透明であるが、管理対象に該当する現地法人を有するお取引先様には一度確認されることをお勧めしたい。

本改正のコンプライアンスにおける要求事項
・重要支配者を合理的に特定し、重要支配者台帳に登記(記載)。
・重要支配者台帳を登記住所、もしくは指定された場所に保管。
・情報は常に最新のものを登記(記載)。
重要支配人台帳の必要記載事項
重要支配人について(法人・自然人共通記載事項) 指定代表者について
・社名(自然人の場合:氏名)
・登録住所(自然人の場合:連絡先住所)
・重要支配者となった日付※指定代表者とは
・会社に対する支配の種類(出資比率等)
・氏名
・連絡先
※指定代表者とは調査受験の際に企業の窓口となる人物。
法人のみ 自然人のみ
・法人形態
・登録番号
・県立国、地域
・香港ID番号
・パスポート番号、発行国

(香港支店 宮内)

中国における環境規制(上海駐在員事務所便り)

中国といえば「PM2.5・大気汚染」というキーワードが頭に浮かぶだろう。中国経済の急速な発展に伴い、大気汚染だけでなく、土壌汚染、水質汚染などの環境汚染は深刻な状況である。現在の中国環境汚染の状況は、日本の1970年代~80年代、経済発展スピードに環境規制が出遅れていた点がよく似ている。

中国の「環境保護法」が施行されたのは1979年であるが、以前は地方政府任せで、各地方政府も経済成長を優先したため、関連法は蔑ろにされていた。国民が関心を持ち、海外メディアも報じるようになり、近年になってようやく中央政府が法令や行動計画を整備し始めた。

中央政府の環境保護部は、2016年から2年間かけて全省に対し個別監査を実施。2年間で処罰件数は24,600件に達し、15,700人もの地方役人が処罰対象となった。そのことによって、中央政府の目を気にする地方政府は、生産企業に対して急激な規制強化を行い、2017年だけで約8万件もの生産制限・停止の処罰を行った(件数等はJETRO調べ)。日系企業が処罰されること自体は多く無いものの、仕入先の中国系企業が処罰されることによって、サプライチェーンが滞り、生産活動に影響を及ぼす可能性をはらんでいる。

2018年1月からは「環境保護税法」が施工され、対象汚染物の排出量に応じた課税を実施。今後は税務機関も環境対策に乗り出してくることになった。このことにより更に規制が厳しくなることが予想される一方で、政府が規定する排出基準量を一定割合下回れば、減税措置が受けられるということもあり、環境対策を厳格に行う企業にとってはメリットとなる可能性もある。
中国には多くの日系企業が進出しており、各企業とも最近の環境規制に頭を悩ませている。地方政府の立ち入り監査を受け、言われるがまま指摘事項について対策を実施しているというのが現状である。「現行の関連法規に自社が適合しているか社内で誰もわからない」「役人と担当者は仲が良いからこれまで大丈夫だった」などといった構造的問題も発生しており、まずは自社の現状を診断することが必要である。専門的な担当者がいない場合は、外部コンサルなどに診断してもらうのも一案である。
このような状況下、中国で環境対策投資が増加していくことは確実であり、関連業界にとっては追い風であるともいえる。この状況を攻めのチャンスとするためにも、各進出企業がしっかりと環境対策を実施し、中国でのビジネス拡大につなげて欲しい。

(前上海駐在員事務所長 宮木)

ラオス・ビエンチャンを走る京都のバス

2018年2月、タイ北部に位置するラオスの首都ビエンチャン市内にて京都市内でよく目にするある乗り物を見かけた。それは京都市内において移動手段として欠かせない京都市バスである。姿形は京都市内を走っているバスそのもので、ビエンチャンの中央バスターミナルを主発着場とし、ラオス国民の移動手段の一つとして活躍している。タイ北部のノンカイとラオス国境を流れるメコン川にかかるタイ・ラオス友好橋を通る路線にも活用されており、陸路でタイからラオスに入国する際にもその姿を目にする。2018年1月からはワッタイ国際空港を通る路線も新設。市内主要ホテル付近を経由して、中央バスターミナルまで運行しており、旅行客の利用も増加している。

ラオスの首都ビエンチャンは、年々進む近代化と人口増加などにより、乗用車やバイク利用者が増加。乗用車の新車販売台数は2007年の約1,800台から2017年には約10,000台と5倍増加。乗用車の利用増加により、朝夕のピーク時を中心に交通渋滞が発生している。また路線バスは国営のビエンチャンバス公社により運営されているが、耐用年数や走行可能距離を大幅に超過したバスをメンテナンスしながら利用している為、サービスの質の低下などを理由に利用者が減少。公共バス利用者数を回復させ、交通渋滞の減少を図るJICAの「ビエンチャンバス公社運営能力改善プロジェクト」が2012年に始まった。同プロジェクトは2012年1月~2014年12月の期間で実行され、現在は2016年8月~2019年8月までの期間で同プロジェクトフェーズ2として支援している状況だ。

京都市は「京都市国際化推進プラン」を立ち上げ、ビエンチャン市とは2015年11月にパートナーシティ提携を締結している。両市の友好を深めるとともにビエンチャンの公共交通事業の改善の為に、使用終了した市バス34両(路線バス30両、観光バス4両)を寄贈。この寄贈された市バスが上記プロジェクトの一躍を担っている。

総人口700万人にも満たない東南アジアの一国で私たちに馴染みのあるバスがその国民に欠かせないインフラの一部となっている。これも政府開発援助(ODA)の魅力と言えるのではないだろうか。

ビエンチャンで活躍している京都市バスの写真

ビエンチャンで活躍している京都市バス

(バンコク駐在員事務所 田中)

為替市場動向

<チャート>
為替市場動向の画像 <先月の動き>

ドル/円相場は上旬から中旬にかけて106円台を挟んでの推移。下旬に米中貿易摩擦懸念から一時104円56銭までドル安が進行するもその後ドルは持ち直し、結局106円台前半で引けた。

上旬は、黒田日銀総裁が金融緩和について「19年度ごろに出口を検討していることは間違いない」と発言したことや、トランプ大統領が鉄鋼25%、アルミ10%の追加輸入関税を賦課する計画を発表したことを受けたリスク回避姿勢の強まりから105円台半ばまでドル安が進行した。

中旬は、良好な米経済指標や米中間の過度な貿易摩擦懸念が和らぐなど、市場の心理が改善し、ドル/円相場は一時107円30銭近辺まで上昇。しかし、米ティラーソン国務長官の解任報道などを受け、再び106円前後までドルが売られる展開となった。

下旬は、米FOMCで事前予想通り0.25%の利上げが実施されるも先行きの利上げ期待が強まらなかったことや、中国による米関税への対抗措置報道などを受け米中貿易摩擦懸念の高まりに一時104円56銭までドル安が進行。しかし、その後は米朝関係好転の兆しや堅調な米10-12月期GDPの発表を受けドル/円相場は反発。結局106円20銭台で越月した。

(市場国際部 木下)

※このレポートは、参考資料としてのみ作成しております。売買に関する最終判断はお客様ご自身でなさいますようお願い申し上げます。

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