しがぎんアジア月報(2017年9月号)

<目次>

  1. 保守的な香港電子決済事情(香港支店便り)

  2. キャッシュレス社会(上海駐在員事務所便り)

  3. 健康志向食への転換(バンコク駐在員事務所便り)

保守的な香港電子決済事情

中国で急速な広がりを見せるスマホアプリの電子決済。同じ中国でも香港の事情は少々異なるようだ。香港では八達通(オクトパスカード)という非接触型のICカードが、気軽で便利な決済手段として普及しており、日本のICOCAカードよりも6年早い1997年、香港の中国返還の年に導入され、今年で20周年を迎える。公共交通機関の乗車カード以外にもコンビニや飲食店、郵便局などの決済、マンションのドア鍵などとして幅広く利用され、独自の発展を遂げてきた。7.39百万人の人口に対して33百万枚以上のカードが発行され香港に深く浸透している。

HKMA(香港金融管理局)が公式サイト内の「inSight」で香港の電子マネー環境について見解を述べた。「香港では保存型デジタル決済を行う企業に対してSVF(Stored Value Facility)ライセンス取得を義務付け、安全で多様な電子決済手段を市民に提供することを目指しており、民間消費総額のうち概算で約60%以上を電子決済(クレジットカード、オクトパスカードを含む)が占めている」とした一方で、「依然として多くの中小企業やタクシー業界は現金決済のみを許容、香港は電子決済の発展に後れを取っている」とも指摘した。

八達通20周年特別版の画像

では、なぜ国際金融都市を掲げる香港で目新しい電子決済の普及が進まないのか。かつて中国では各家庭内の固定電話を飛び越し、個人単位で携帯電話が普及したように、新しい電子決済が一気に普及しているが、香港では古くから慣れ親しんだクレジットカード、オクトパスカードのサービスが成熟、さらに現在もサービス内容の進化を続けており、利用者は新しい電子決済には保守的だ。

先月、新しい電子決済に対抗する香港のクレジットカード会社から、プロモーションメールが送られてきた。「保有ポイントを利用して3クリックで相殺決済ができます」というものだった。クレジットカードの利用直後、携帯電話にショートメッセージが送られ、ポイントで相殺できるスピード感は日本でよくあるポイントキャッシュバックとは異なり、消費を促す効果抜群だ。

顧客満足度の高い香港のような成熟社会では、新しい電子決済サービスが普及する日はもう少し先かもしれない。

(香港支店 野村)

キャッシュレス社会

「いよいよ来たか」8/16 付の日本経済新聞朝刊1 面を読んだ筆者の感想だ。中国のアリババ集団が日本でスマホ決済サービスを開始するという記事である。この決済サービスは「支付宝(アリペイ)」と呼ばれ、中国でスマホを持っている人で「利用していない人はいない」といっても過言ではないほど、中国で圧倒的な普及率を誇っている。

実は、2015年6月号のアジア月報において、「中国のカード決済市場」というタイトルで、「銀聯(ぎんれん)カード=Union Pay」の普及率の高さを紹介したが、それから僅か2年ほどで中国の決済市場は一気に様変わりした。いまやコンビニなどの小売店で、現金だけでなくカード決裁する人すら全く見かけなくなり、スマホをかざして決済する光景ばかりとなった。

来春にも日本に上陸するという「支付宝」の仕組みについて紹介したい。まず利用開始には、スマホにアプリをダウンロードし、本人確認と銀行口座の紐付けを行えば登録完了し利用可能となる。利用可能な店舗にはレジや入口に青い表示があり(写真①)、支払い時にはスマホ画面上のバーコードを提示(写真②)して、レジのバーコードリーダーで読み取ってもらえば決済完了。瞬時に銀行口座または保有する残高から代金が引き落とされる。個人間(タクシー運転手、割り勘など)での支払いも実に簡単。スマホのカメラで相手のバーコードを読み取り、金額を入力すれば決済完了。登録された友人などであれば遠く離れていてもアプリ上で即送金可能だ。これらのサービスについて、消費者側は全て無料で、個人間送金も一切手数料などかからない。日本でよく目にする交通系IC カードなどをカードリーダーにかざして決済する仕組みと違い、初期投資はほとんど要らない。現金を扱わない店舗(現金払いを拒否する店舗)も出てきており、当局が「現金支払いも受け付けるよう」と指導するほどだ。

中国での日常生活に欠かせなくなった「支付宝」だが、口座情報などの個人情報を提供しなければならず安全面での不安は常につきまとう。果たして日本で受け入れられるのか未知数だが、キャッシュレス社会への大きな変化が目の前に迫っていることは間違いない。

写真①(緑はライバルの微信“Wechat Pay”)と写真②

(上海駐在員事務所 宮木)

健康志向食への転換

タイのスーパー・コンビニなどで販売されているほとんどのお茶には砂糖が加えられている。日本と同じ感覚でお茶を購入し飲んだら強烈に甘かったという体験をされた方も多い。缶コーヒーなども輸入品を除いてほとんどが砂糖入りである。タイのコーヒーチェーンでも注文の際に「マイ・サイ・ナムターン(砂糖を入れないで)」と前もって伝えないと砂糖入りのコーヒーが出てくる。またヘルシーに見えるタイ料理も多くの油と砂糖が使用されており、高カロリーなものが多い。クィッティアオ(タイラーメン)などの麺類は、テーブルに備え付けてある調味料(砂糖、唐辛子、魚醤、酢) を多量に加え、自分好みの味付けにして食べる。

このようなタイにおいて、2019年10月より砂糖を含む飲料に対し、砂糖税が導入される予定だ。税率は、含まれる砂糖の量によって変動するも最大で20%となる。タイ国民の砂糖摂取量が約115g/日と、世界保健機関(WHO)の推奨する基準の約25g/日を大きく上回る。砂糖の過剰摂取は、生活習慣病による医療費の増加につながる。タイは既に高齢化社会に突入しており、医療費抑制は重要な課題となっている。

砂糖税の他にも食生活改善の対策は取られている。塩分、砂糖、カロリー摂取量が削減された商品を「Healthier Choice」として認定する制度が昨年より導入された。医療研究分野で有名なマヒドン大学とタイ保健省が共同で実証し認定を与えるもので、日本の「特定保健用食品」と似たような仕組みだ。2017 年7月末時点で351 商品が登録をされている。バンコクの公園では、平日の夕方や休日にランニングやサイクリングで汗を流す人が増えており、タイ人の中で健康志向は着実に拡大している。今回の砂糖税導入は、健康飲料分野で先行をする日本のメーカーにとって、大きなビジネスチャンスである。

麺類にも砂糖を加える写真と「Healthier Choice」の写真

(バンコク駐在員事務所 大西)

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