しがぎんアジア月報(2017年5月号)

<目次>

  1. 香港返還20年(香港支店便り)

  2. 第17回上海モーターショー」開催(上海駐在員事務所便り)

  3. タイの電子化施策(バンコク駐在員事務所便り)

香港返還20年

 香港は今年7月1日に返還20周年という節目を迎える。3月に行われた行政長官選挙では、林鄭月娥(キャリー・ラム)前政務長官が当選し、7月1日より第5期(第4代)行政長官に就任する予定だ。

 ここ数年、香港を訪れる外国人旅行者数は減少し、2016年は5,665万人と前年比4.5%の減少だ。しかし、今年は香港の中国返還20周年に合わせて多くの記念イベントが予定されており、中国人を中心に旅行者数の増加が期待されている。観光業界関係者などは、記念行事を上手く利用して消費の拡大につなげていきたいところだが、香港市民にとっては、内心複雑な思いを抱く人も少なくない。一国二制度の下、「高度な自治」が約束された50年間の期限まであと30年ということを意識してしまうからだ。

 自由市場、自由貿易政策を展開する香港は、「経済自由度指数ランキング(米国ヘリテージ財団/ウォールストリートジャーナル)」で過去20年以上、第1位を維持している。自由経済の象徴である香港の「自由」は、1984年に公約された「中英共同声明」の一文によって保障されてきた。一方、過去20年間の香港経済を振り返るにあたり、中国の影響力を無視することはできない。返還直後に発生したアジア通貨危機、そして2003年に大流行したSARSなどの影響を受け、香港経済は厳しい状況に追い込まれた。その後、経済回復に向け中国からの不動産投資や中国人観光客の個人消費など、中国への依存度が高まっていった。

 30年後の香港はどのように変わっているのか。誰にもはっきりしたことは分からないが、今改めて「中英共同声明」の内容を確認し、この記念すべき1年を通して、香港の魅力を再発見するきっかけにしていきたい。

表画像:1984年12月19日 中英共同声明の内容

(香港支店 野村)

第17回上海モーターショー」開催

 上海の西郊外にある世界最大級の展示施設「国家会展中心」で、4月19日から28日まで、「第17回上海国際汽車工業展覧会(上海モーターショー)」が開催された。総展示面積約35万㎡の会場に、世界18の国と地域から自動車メーカーを中心に約1,000社が出展し、約1,400台の自動車が展示された。来場者数は101万人と100万人を突破して過去最高を記録。今回のモーターショーで世界初公開された最新車は113台にもおよび、それを取材しようと世界各国から1万1,000人ものメディア関係者が訪れた。何もかもが桁違いのスケールで、まさに「世界最大のモーターショー」である。

 世界の自動車メーカーがこぞって上海モーターショーに殺到するのは、「中国市場を制したものが世界を制する。」ということを各社が実感しているからだろう。事実、「中国経済は先行き不透明だ」などと言われながらも、国民所得の増加に伴い、中国の新車販売台数は、右肩上がりで年々増加している。

 2016年の新車販売台数は2,802万台と7年連続で世界最高を記録。実にアメリカの1.6倍、日本の5.6倍の市場規模であり、中国市場が世界における新車販売台数の3分の1を占める計算だ。自動車市場でも「爆買い」現象がみられる。日系自動車メーカーもその恩恵を受けており、2016年度の新車販売台数は日産135万台、ホンダ124万台、トヨタ121万台と、大手3社とも過去最高を記録。中国はアメリカや日本に比べ自動車普及率が低いことも市場拡大を後押ししており、当面この勢いは止まらない。

 しかし、楽観ばかりしてはいられない。急速な自動車の普及に伴い、中国は深刻な大気汚染問題に直面しているため、今後、中央政府が厳格な環境規制を打ち出していく見込みだ。これらに対する各自動車メーカーの対応は、中国のみならず世界シェアに影響することになるだろう。新しいチャンスと捉えたい。

新車販売台数のグラフ表と上海モーターショー会場の写真画像

(上海駐在員事務所 宮木)

タイの電子化施策

 2017年3月より法人版「Prompt Payサービス」の登録が開始された。Prompt Payとは、銀行での振込や入金において、銀行の口座番号に個人であれば国民ID番号や携帯番号、法人であれば納税番号を紐付けし、これらの番号を利用してパソコンやスマートフォン、ATMで取引ができる新送金サービスだ。タイ政府が国家戦略の一環としてキャッシュレス社会の実現を目指す「ナショナルEペイメント」の中核施策である。

 個人版は今年1月から運用が開始され、手数料は振込金額が5,000バーツ(約16千円)以下であれば無料、10万バーツ以上であれば10バーツと割安だ。法人版の本格運用開始は6月以降を予定しており、既存の振込よりも割安な手数料になる見込みだ。タイでは口座振込の場合、口座取引明細に振込人情報が記帳されない。そのため、各社で入金照合する労力を要するため、タイの商取引では未だに入金元が特定できる小切手や現金による取引が多い。一方、Prompt Payでは送金元情報が通知される予定のため事務負担が軽減される。

 Prompt Payと合わせて、2017年1月より「E-Tax」「E-Invoice」の運用も一部の企業から段階的に開始された。タイでは付加価値税(VAT、日本でいう消費税)や源泉徴収税などを月次で税金の申告・納税を行う必要があるが、VATの納税時には「Tax Invoice(税金還付請求のための証拠書類)」をすべて原本送付する必要があり、また源泉徴収税も、源泉徴収税申告書を作成し書類原本を支払先へ送付しなければならず、小切手と同様、受け渡しに労力が割かれていた。今後はE-TaxやE-Invoiceを利用することで、電子ベースのやり取りが可能になる。Prompt Pay、E-Tax、E-Invoiceともに本格的な運用はこれからであるが、これらを利用することで、ペーパーレス化、事務処理コストの削減につながることが期待される。また、取引の電子化により、各企業の売上も明確になることから、売上申告漏れも減少し、税収増加効果も期待される。

E-Tax画像

 このほか、法人設立時の登記申請や決算書登録といった商務省での登録業務や社会保険手続きのオンライン化が順次進められている。システムの登録・利用は強制ではないが、タイ政府は普及に力を入れており、将来的には義務化される可能性もある。これらの仕組みを上手く活用し、現地法人のコスト削減につなげていただきたい。

(バンコク駐在員事務所 大西)

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