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経営最前線

循環型社会対応のソーラー製品で注目

辻勝さん写真技術と機械性能と人が築く、
ニューエンジニアリング企業へ

辻プラスチック株式会社
代表取締役 辻 勝さん

 

「ノウハウを他社に依存しない」企業スタイルを実現
親子二代の経営センス

辻社長は家業の農家を継いだ後、たまたま友人が手がけ始めた工業製品を見て「これからの時代はプラスチックだ」と直感、それから長野の専門学校「日精スクール」で技術を学び、1968年に同社を創業した。本社事務所と新工場の完成にともない1988年には株式会社として新たな事業展開をスタート。「ノウハウを他社に依存しない」という企業スタイルを目標に定め、製造から販売までの一貫体制を確立してきた。現在、社長が顧客管理や経営バランスの全体を統括し、専務は新規事業・取引先の開拓、取り扱い製品の部門化とシステムづくりで企業経営をサポートしている。専務は大学卒業後、他社への就職も決まり研修期間中に後継者となることを決意したという。「話し合いをして継ぐ意志があることを確認してから、新しい工場を建設しました」と辻社長。最新鋭の設備を整えた新工場を開設した当時、同社で仕事を始めたばかりの辻清嗣専務が手がけた会社案内は「10年間使い続けられる」ことを前提に作成したそうだ。完成した頃は悪評しきりだったという会社案内は、いま見てもビジュアル的に新鮮なだけではなく、同社の事業展開を紹介するに相応しいものとなっている。「人に優しい製品とは、技術と機械性能と人が一つになってはじめて生まれるのです」。この言葉はいわゆるパフォーマンスではなく、そこに記した企業の目指す方向性を確実に実績として重ねてきたことが、経営センスの良さを物語っている。


FAアルミニウム安全柵
「製品に特化するなら業界ナンバーワンでなくてはならない。それが出来ない場合は自社の業態の幅をいかに広げるか…そこでの正確な判断が必要です」と次代を担う辻専務は明言する。同社の場合は後者を選択し、その方向性が着実な企業発展に結びついてきた。売上高は10年間でおよそ2倍に。プラスチックという社名からは想像がつかないほど製品アイテムは種類が多く、医療・電気・機械・自動車部品から生活用品まで各分野にわたる。

従来品に新技術の導入で付加価値を高めた製品、今まで“ありそうでなかった”すきま産業的な製品、いずれも新規の設備投入が必要なものではなく、同社の工場で加工・製造・生産が可能なものを手がけてきた。社内でSA部門と呼ぶ、道路・建築関係のソーラー(太陽電池)製品、の製造販売はここ数年で急成長した事業である。またFA部門の「アルミニウム安全柵」は工場等に設置された精密機器などを保護するためのフレームで、必需品でありながら専門に製造する業者がこれまでになく、シーズ・ニーズともに高く注文が後を絶たないという好況ぶり。

省エネ・メンテナンスフリー
「全天候型ソーラー製品」

ソーラー事業部の主力製品は、従来の太陽電池式発光タイプの製品に、日照時間や温度など充電時の様々なマイナス条件にも対応できるよう、蓄電装置に電気二重層コンデンサを採用し、機能を向上させた。自発光側路鋲「ニューキャッツ」、夜間・雨天時に危険なカーブや中央分離帯での交差点事故を防止する自発光センター鋲「スイングキャッツ」、信号機のない危険な交差点での事故発生を防止するために開発された自発光交差点鋲「クロスキャッツ」。自動車の安全走行のために道路や縁石に埋め込まれた“要注意”のフラッシュ信号は、ドライバーなら日常的に眼にする機会も多いはずだ。雨天・曇天時でも充電可能な全天候型でメンテナンスも不要という画期的な製品で、コンデンサは活性炭と有機溶剤の無公害材料を使用することで、廃棄回収等の規制がなく、環境負荷の少ないクリーンなエネルギー源として注目されている。現在の納入先は、京都府警や建設省など、市町村など自治体からの問い合わせも増えつつあるという。交通安全という使用目的とともに、製造段階、使用時そして廃棄時のトータルエネルギーを削減できるという製品の特長は、循環型社会対応の工業製品としても今後の発展が大いに期待される。

クロスキャッツ 自発光交差点鋲「クロスキャッツ」
車のヘッドライトが当たると光センサーが反応し、交差する左右2綿のLEDが高速点滅する。
信号機のない危険な交差点での事故発生を防止するために開発されたもので、視認性が高く、左右からの進入車両に警告を与える。
ニューキャッツ 自発光側路鋲「ニューキャッツ」
ガラスタイル 自発光ガラスタイル
日没から約12時間自動点灯・日照により消灯するカラータイル。ほのかな光を発光する景観・防災用に開発された20センチ角のLED面発光タイルで、歩道やビルなど建築物の外壁に使用されている。庭や玄関アプローチの誘導灯・街路灯、ガーデニングアクセサリーなど多用途。

社内の改善活動で、
さらなる企業パワーの向上をめざす

電気機器の端子や自動車部品のプラスチック成形からはじまり、化学・医療機器、一般産業機器の各種部品の製造……と守備範囲を着実に広げながら、一方で新しい技術導入による新規分野を開拓してきた。今後は道路・建築関係のアイテムをさらに充実させ製品ラインナップしていく予定である。3年前から社内で取り組む改善活動では情報の共有化、物流改革を目指す。より効率的な生産ラインで高品質の製品を供給するため、工場改善のコンサルタントも導入している。
「いまの業務内容から見ると「辻プラスチック」という名前ではそぐわなくなってきました。21世紀に向けた新社名を検討中です」と辻社長。愛知川沿いの恵まれた環境に立地する社屋と二つの工場に加えて、まもなく新工場を建設予定。次世代の質感を生み出す、湖国生まれの新しいエネルギーに期待したい。

(青山香菜)

PROFILE●会社概要

辻プラスチック株式会社
所在地 滋賀県神崎郡五個荘町奥160番地
TEL 0748-48-2206
FAX 0748-48-2720
e-mail tsuji2@gold.ocn.ne.jp
営業品目 プラスチック・アルミニウム・ガラス・アクリル等の各種熱可塑性樹脂の射出成形品および、加工組立品等の製造販売
主な事業内容 ◆SA・ソーラ事業部
全天候型太陽電池式製品(自発光側路鋲・センター鋲・交差点鋲・ガラスタイル)
◆FA部門
アルミニウム安全柵
◆プラスチック部品の成形・金型
◆アッセンブリー部門

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